1000歳の魔女
この世界に永遠なんてない。
ずっとなんてない。
日々、人の気持ちは変わるし、情報も変わる。生き物だって生きやすいように変化するくらいだ。
日々、時間の流れとともに少しずつ変わっていくのがこの世界だ。
その世界で1000年生きるのは、とても辛いことだと私は思う。そして、人間の寿命はちょうどいいとも思う。
楽しいこと、辛いこと、やりたいこと、神様はそれができる期間を作ったのだ。
1000年は長すぎる。私は今、1人。
1人になってからは、時間がとてもゆっくり流れる。時間をただただ流すだけだ。
また同じことを考える。繰り返し考えても時間は余る。
1人ならば、永遠なんていらない。
1人ならば、ずっとなんていらない。
だけど、私は生き続ける。
古くからの言伝えを守る。
1000年生きる魔女が途中で命を落とした時、世界は闇に包まれる。
あなたがいたこの世界を失くしたくないから。
あなたはもういない、この世界だけど。
あなたとの約束を守ることが私のすべて。
あなたとの時間をなかったことにしたくないのかもしれない。
流れていく時間の中でも薄まることのない時間があったことを守り続けているのかもしれない。
嗚呼、あとどのくらい生きればあなたのもとに行けるのだろうか。あなたのことを繰り返し考える。
私は1000年生きる魔女。