"You" despair, and then depend on God
昨日と今日の朝に連続投稿した結果、普段は0pvの日もある中、普段より多くの人にアクセス頂き感謝です。
次の目標:ツイッターで一人でもいいのでこの作品について触れてくれる人がいる を達成出来るように頑張ります。
では、本編です。
狂っている。
と、"あなた"は無意識に呟いていた。
コイツが「少しは慈悲の心を持っていること」を、心のどこかで期待していたことに気づく"あなた"。
無意識のうちに、何となくこの"天使"という言葉の響きから、そう考えていた。
「恩を感じると、純粋に判断することが難しくなる」という主張の言っている意味は分かるし、その理屈は正しい。それは理解出来る。
でも、目の前に困っている人がいるのなら理屈を問わず助ける。この行為を、
この天使は堕天使=悪、とはっきり言い切った。
本当に、これが本当に神の意志に沿う行為なのか?
"あなた"の心に怒りが込み上げる。
が、それ以上に、"あなた"は自分がもう死ぬという事実に、諦めと絶望を感じていた。
死ぬのか。このまま。
死ぬということは、もっと大きなことだと思っていたのに。こんな目前に迫っても、実感が湧かないのは何故だろうか。
普通に老人になって、死ぬときは病院か自宅のベットの上。
という、「深く考えたことはなかったけれど、何となくそう死ぬんだろうと思っていた」死に方とのあまりにも違いに、脳が現実逃避しているのだろうか。
でも、思い返して見れば、今までの人生、想定通りに進んだことは無かった。
小学生の頃、中学生というのは「イナズマイレブン」宜しく仲間との友情に燃えるものだし、高校生とは「名探偵コナン」の新一と蘭のように、仲良くする異性がいるものなんだ、と無邪気に信じていた。
でも、中学でも高校でも、休み時間にそれなりに話す友達はいても、『殴り合ってぶつかり合って、そこで固い友情が生まれ、大人になった今でも会うような』親友、と呼べる奴には出会わなかったこと。
気になる異性が出来ても、その人に事務的な件で話しかけられるだけで舞い上がって挙動不審になるような自分に、その先の何かが、がある筈も無かったこと。
そして気づけばもう、あの「サザエさん」の年齢も越えようとしている、ということ。
そのどれ一つとして、自分の想定外ばかりだったじゃないか、と"あなた"は思い返す。
だからって、死に方まで思い通りにならないとは。
まあ、それも自分らしいといえばそのとおりだが。
なら、せめて。
と、"あなた"は思う。
せめて、このままならない人生の最後に現れた、この天使とやらが、狂人や幻覚ではなく「本物」の天使でありますように、と。
"あなた"は無意識のうちに祈る。
神様。もし、この天使が本当に「あなた」のところから来たのなら、今までの人生のことも、この突然且つ理不尽な死も、チャラにしてもいいですから。
なんて思いながら。
ここまでお読みいただきありがとう御座いました。
因みに、この作品は第14部で終わるので、そろそろ終盤です!
もし、最初から最後まで読んでくれる人が一人でもいてくれれば、それだけで今までの自分が報われます。
※今度読もうと思ってる本はソロモンの偽証です。
(宮部みゆきさんでは王道だけど模倣犯が好きです)