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天使との語らいと戯れ言。  作者: 覆原 ユウダイ
5/9

番外篇: Witness, that's also a "miracle"〜奇跡も語るものがいなければ〜

  番外篇です。実はこれを最初に投稿するかどうか迷っていたのですが、色々考えてこの場所に配置しました。


    (とある学習塾の夏期講習)



《塾講師》:え〜、この問題のポイントをまとめると、この図形を等積変形することで、円に内接する四角形の一部であることに気付き、

そこで、

    (ホワイトボードマーカーで印をつけながら)


 円周角の定理から角が求められるので面積も分かる。

この思考の流れがスムーズにできるよう、解けなかった生徒は復習しておくこと。



     (チャイムの音)


《塾講師》:じゃあ、今日は時間だからここまで。



     (騒々しくなる教室)



《生徒A》:はあ、疲れた〜〜、いくらナガミンの授業が楽しくても、2コマ連続はキツくな、 ん?どした?

《生徒B》:……




《生徒A》:あ、もしかしてさっきのラストの問題に引っかかってる?

そこは私も最初ちょっと

《生徒B》:ううん、違う、授業じゃ無くて。ここに来るときにヘンな物見ちゃって…





《生徒A》:え、何かあったの!?もしかして、変質者とかヤバい系?

《生徒B》:いや、どちらかというと幽霊とか、そっち系っていうか……




《生徒A》:なんだー、怪談系かぁ、そんなの大丈夫だって。そりゃ目の前にお化けが現れたら超怖いけどさ、それっぽいやつが見えただけでしょ? 

 人って暗かったらシーツとかでも幽霊に見えたりするし、そういうのは気にすることないと思うよ?


《生徒B》:そうだよね、うん、そう思うことにする。ありがと。





《生徒A》:因みに、ヘンな物って何を見たの?後どこで?


《生徒B》:あのさ、明日から夏祭りでしょ、駅からこの塾の方に抜けていく大通りが封鎖されてて。だから、いつも曲がる交差点の、一つ手前で曲がったの。塾の方向は分かってるし、と思って。





《生徒A》:初めて通るルートで来たんだ?

《生徒B》:そう、けど、もう塾すぐそこって所で行き止まりで抜けれなくて。

《生徒A》:あぁ、ある〜。ちょっと開発されたのが古くて、通り抜けれない箇所のある地区。その言い方的に、引き返さなかったんだ?





《生徒B》:うん、、何処かから抜けれないかな、と思って周りを見たら、向こう側に抜けれそうな細い路地があったから、多分通っちゃ駄目なんだろうけど、面倒臭さに負けて、そこを通ることにして。


すごく汚れた室外機とか、いつからあるのか分からないゴミ箱の横を進んでたら、ビルとビルの間に、隠れてるビルがあるのを見つけて。




《生徒A》:隠れてるビル?

《生徒B》:そう、表通りにもその裏の通りにも面していない、ビルの間に薄汚れたビルがあって。

 多分、路地を通ってしか入れないような奥にあって、今まで、塾に行く時私毎回この表通りを使ってたけど、そんな所にビルがあるなんてまったく気づかなかったレベルの場所。

 これも、道と同じで、街が古いから開発から取り残されたとかなのかな? 


 で、何か変だなぁと思ったら、まさかのそのビルが光ってて。



《生徒A》:え? どういうこと?イルミネーション的な?

《生徒B》:ううん、そんなハッキリとじゃ無い。もっと、薄ぼんやりした感じで、例えるなら……、あれ、曇りの日に、雲と雲の隙間から陽の光がアニメみたいな感じで差し込んで来てるのが見えるときに近い感じ。

どう、伝わった?



《生徒A》:あぁ、〜分かる。ホコリが待ってる部屋の中とかでも、そういうのってたまにあるよね?

《生徒B》:そう、それ的な感じ。もう日も沈んでるし、そもそも今日は晴れてるから、それは起こりっこ無いのに、何かそこだけ不自然に明るいから、ビルとビルの間なのに、よく見えて。




《生徒A》:それ、見たら確かに気になりそう。それ、ビルの全フロアの照明がついてた、とかじゃないよね?

《生徒B》:うん、そんな風には見えなかったなぁ。


《生徒A》:写真は?

《生徒B》:うん、1枚だけ。ちょっと狭かったしブレブレだけど。ほら。





    (この後、この写真がSNS上に投稿される)

タイトルが過去最高に決まっていると自負しております。

ここまでお読みいただきありがとう御座います。

次回は本編に戻ります。

本編の続きは明日(2/13)の朝上がります。




※最近面白かった本は恩田陸さんの「ネクロポリス」です。

この作品の登場人物が「ホラーとSFとミステリがいっぺんに来るのは好みじゃない」というセリフを言うシーンがあるんですけど、まさに「ネクロポリス」がその3つのジャンルを融合させた小説なので、洒落が効いてるなあと思いました。

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