2時限目 無能
鬼は"基本的に"人間ほどの知能を持たない。
じゃあそのイレギュラーが現れた時はどうするのか…
「高い知能を持つ鬼が現れました。」メンバーに事前に設定しておいた文を伝えるのが軍神の能力だ。
「単純な移動であればノーモーションで大丈夫っと」遥斗の能力で到着した。
「こりゃあまた中々のサイズだね。さぁ、気張っていこうか!」
「詩音の能力は一応使わないでおくべきだ」
「切り込み隊長にお任せあれ。」弓聖能力発動【貫通する弓矢】
「様子見3発。これで終わりならいいんだけどね。」
鬼はそれをかわした。
「ボルトアローは避けても当たるんだ」
カカカッ 鬼は矢を掴み、受け止めてみせた。
「飛んでる弓矢をなんで掴むかなぁ…脳まで筋肉で出来てそうな図体なのに」 掴まれ完全に威力を殺されたら、追尾を続けられない。
グワッシャァン
「ちょっと、アイツ平然と大岩投げてくるんだけど!!さっさとやっちゃいなよ太陽」
「下がってろ。太陽 俺が沈める」剣聖能力発動【英雄の一撃】
予測線が鬼の頭部を捉えた。
「そこだ」すかさず悠太は斬りつけた。ズダダダッ
一撃目を避けても追撃をうけ、鬼の腕は切断された。
「ふむ、再生しないタイプの鬼のようだね。遥斗 俺の考えてる事が分かる?」
「やってみるよ」
弓聖能力発動【貫通する弓矢】
「現時点最大の5本!!」すかさず遥斗が能力を発動した
転送者能力発動【扉を開く者】
極小サイズのゲートが複数回出現し、鬼の胴体付近に繋がった
別々の穴へボルトアローが入ると、鬼を捉えた。
僕達の勝利だ。
"再生しないタイプ"と太陽が言ったように様々なタイプの鬼が出現する。今回は単体だったがイレギュラーが複数体出現した時はどうするのか?詩音が蹴散らすにしても一日に一発が限度である。
それに対応するのがトップである生徒会長なのだ。
故に、高い知能を持った鬼が複数現れた時 学校で統率力を持ってして指揮を取るのが副会長なのである。
彼は無能力者だ かといって能力を無視できるほどに優れた身体能力を持っている訳では無い。勉学で上り詰め、"こちら側"になった唯一の生徒である。
「高い知能を持った鬼を生かしておくべきだ。」
というのは彼が常々言っている事だ。
研究目的なのかはたまた何か別の理由があるのか…彼は多くを語らない。語りはしないのだ。