笑い
少し前になるけど、志村けんさんが、コントをお撮りになる時に、ゴミ箱に本物のゴミを入れていたという話を読みました。
そのゴミ、話と全く関係なくって、全然出てこないらしいんですけど。
いわば、ただ、画面の片隅に置いてあるだけのオブジェ。
だけど、そこに『ゴミが入っている』というだけで、演じる人の心の中で『ゴミ箱』がリアルに認識されるとか。
実際のところ、それがどれだけ効果があるのかは、私にはわからないですが。
笑いを誘うというのは、実に難しいと思っています。
芸人さんの『一発ギャグ』を見ても、旬を過ぎると、途端に笑えなくなってしまったりするし、腹がよじれるほど笑えるネタも、気分によっては、眉をひそめたくなってしまったりもする。
受け手側の精神状態も大事。
もっとも、何を聞いても面白くないなあと思ったときは、自分が疲れている可能性が高いので、ゆっくり寝たほうが良いのではありますが。
個人的に、下ネタや下品系のモノは、演者への好感度によって、許容範囲が変わる気がします。
他の人はどうかわからないけれど、ネタをやっていない時にお話の上手い人は、下ネタとか下品ネタに走っても、わりと面白いと思えます。
イケメンに限るではないですが、志村けんさんのギャグをそこいらの芸人がマネをした場合、たぶん私の中ではダダスベリになると思う。下ネタで笑える芸人さんは、一段階凝ったネタでも当然笑えることのできる人たちかなあと思ったりします。
この辺り、男性と女性の違いは多少あるかもしれませんが。
いわゆるコミックソングも結構すきなんですけど、笑える歌を歌っているアーティストさんって、めちゃくちゃ歌がうまくないと、全然面白くないと思うんです。
ふざけた歌は、ふざけて歌うのではなく、真剣に高い技巧で歌われるからこそ、面白く感じる。
技巧が伴わない場合、心に全く刺さらない。
で。
最近思うのは、ギャグを書くのと、コメディ小説を書くのは違うのではないかということ。
コメディとは、日本語で言えば喜劇と訳されることが多いわけです。
つまり、軽いお話なのではなく、喜劇。悲劇の反対ということ。
もっとも、イメージ的に笑いを引き出す要素を持っていることが期待されている。
ただ、ギャグを連発して書くと、間違いなく話はとっ散らかっていくわけです。それをまとめていけるベクトルがないと、『小説』としては面白くない。
私もコメディを何本か書いてますが、構成が本当に難しくて、なかなかうまくいきません。
荒唐無稽なアイデアだけでは、小説は面白くない。
笑いをうまく書けるようになりたいです。会話のやりとり少し書くくらいはできるんですが、どうもその雰囲気を持続できない物騒癖が(笑)
めざせ「みのりちゃん」←これで通じる人、少ないだろうなあ……