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ある冒険者の視点5

今回はすごく短いです。前回と繋げればよかったと反省。この作品も残り数話で完結します。

もう少しお付き合い下さい。

 シェリーはエリカ達を順繰りに見た後、ケンジに目を移した。

「三人が俺の教えを受けたいそうだ」

 ケンジの困った顔にシェリーはため息をついた。ケンジは宿屋と銭湯と農場の経営で何時も走り回っている。しかし頼まれると断れない性格なのもシェリーは知っている。エリカ達をもう一度見た。

「ケンジには私を含め六人の弟子がいます。 弟子になればケンジの事は師匠、兄妹弟子には兄弟子もしくは姉弟子と呼ばねばなりません。あなた達はそれを受け入れる事が出来ますか?」

 エリカ達は顔を見合せ頷くと。

「受け入れます」

「兄妹弟子はあなた達より、年下の者もいます。 フォートやアミの様な子供達を敬い、敬語で接する事が出来ますか?」

 シェリーは更に細かく説明をし、それでも弟子入りするのかと尋ねた。

 エリカ達はあの兄妹の戦いを見ている。そして自分たちの実力では、あの子達に敵わない自覚もある。

 ならば対面や見栄など捨てて、弟子入りした方が良い。



「私達は兄弟子姉弟子を敬います」

「それなりの決意はあるようね、 解りました。 後もう一つ、 ケンジの弟子になる者はケンジの事業の手伝いをする事になります。 冒険者を続けられなくなりますがいいですか?」

 シェリーの問いにエリカ達は言葉が詰まった。私達は今のランクより高みにいくのを目標にしてきた。



 シェリーとエリカ達の間に沈黙が続いた。

「シェリー、ちょっといいか?」

 シェリーが話し出してから、黙っていたケンジがエリカ達に助け船を出した。

「実は、 この七階層の湖の畔に宿屋兼道具屋を出店しようと計画してるんだ。 空いた時間や休日にダンジョン探索も出来る。 良かったらやってみないか?」

 ケンジの出した提案はエリカ達にとって渡りに舟だった。それなら冒険者を続けられる。



「私達、宿で働きながら冒険者を続けます」

 エリカ達の返答にケンジは頷いた。

「シェリー、それで良いか?」

「ええ、それで満足よ」

 シェリーの言葉にエリカ達は 『ホッと』 息を吐いた。



「それじゃ、今後ケンジの事は師匠と呼んでね。 間違っても名前で呼ばないように」

「「「はい!」」」

「後で弟子全員を集めるから、 交流を図ってね」

「「「はい!」」」



 この後シェリーは、ケンジのファイア・ボールと同じ大きさの火球を生活魔法で出し、エリカ達の度肝を抜いたりした。

 宿屋兼道具屋の仕事と冒険者業で目の回る忙しさから、冒険者を諦めるのは、それはまた別のお話。








読んで下さりありがとうございます。

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