表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/84

屋上ビアガーデン

久しぶりに更新しました。

更新が止まっていた間、ブクマ登録して下さった方、評価して下さった方、続きを待っていて下さった方、ありがとうございます!

楽しんで頂けたら幸いです。

「いいぞ! その調子だ!」

「えへへ、沢山出ているのです」

 俺達家族は、ダンジョンの七階層に作った農場に来ている。ピエド王国から、牛に似た野生のカウを捕獲して、飼育を始めた。今している作業は乳搾り。アミにコツを教えているところだ。乳首の付け根から、下に締め付ける様に搾り出す。昔に家族と行った牧場体験を思い出し、やってみたら出ること出ること。シェリーとフォートとアミに、やり方を教えて回る。今日はビアガーデンで飲む身内の分だけ搾乳する。近いうちに魔道具で搾乳が出来る様にしたいな。


「もうその位で良いよ、お疲れ様」

「慣れると面白い様に出るわね」

「面白かったー」

「楽しかったのです」

 三人とも楽しんで乳搾り体験が出来て何よりだ。バケツに搾った牛乳を、瓶に移し換えて殺菌をする。

 日本にいた時に飲んでいた牛乳のパックには、低温殺菌やら高温殺菌と書いてあった。だが、ここは魔法の世界。創造魔法で 【殺菌】 をした。後は飲みごろに冷やせば良いだろう。


 カウの肉を担いで、ミノタウロスがやって来た。奴隷化したミノはとても便利で重宝している。人形の魔物は教えれば覚えるし、体力もあるから疲れ知らず。俺達は肉と牛乳を持って、ダンジョンから《草原の止まり木》二号店に、亜空間トンネルで移動した。


 屋上のビアガーデンには、商業ギルドのギルマスのマークさんと、銭湯で働く従業員と宿の従業員、孤児院の子供達を招待した。子供達は《草原の止まり木》二号店で働いて貰う事になっている。


「みんな、グラスは持ったかな、それじゃ、これからのみんなの健康と幸せの願って、乾杯!」

「「「「「乾杯!」」」」」

 テーブルに置かれた炭火台に、各々肉をのせて焼き始めている。生焼けには注意するようにテーブルを一回りして席に着くと、家族は焼き上がった肉にかぶりついていた。

「あなた! 凄く美味しいわよ」

「こんなに美味しい肉は初めてだよ」

「お兄ちゃん、その肉は生焼けなのです」

 シェリーとフォートの笑顔と、末っ子のアミが困った顔をして兄を注意する。なんか良いな、一家団欒。


 シェリーが焼いた肉を皿にのせて目の前に置いた。一口食べると肉汁が口一杯に広がり何とも言えない美味さだ。肉と焼いたニンニクを一緒に口に放り込む。幸せだー!


「ケンジさん、カウの肉は絶品ですな!」

 満面の笑顔でマークさんが俺達のテーブルに来た。

「美味いでしょ、これがカウの肉です。これは広まりますよ」

「ええ、そうなりますな! それで商談なんですが、是非ともうちにカウの肉を卸して頂けませんか?」

 マークさんは食いつき気味に迫ってきた。怖いよ。

「その事は後日に商談しましょう。マークさんには、肉の加工とか乳製品の相談しようと思っていたのです」

「解りました。そういう事でしたらいくらでも力になります」


 マークさんが離れた後回りを見る。みんな楽しそうだ。従業員も孤児院の子供達も。宴は夕方子供達が帰った後も、深夜まで続いた。







読んで下さりありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ