カウの捕獲と親父の怒り
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王都から、ウィンドライドで街道を西に進む。川を渡り更に進むと、森が見えてきた。森の手前には村がある。街道は森を掻き分ける様に真っ直ぐに伸びていた。帰りに寄ろうと言って街道を進む。暫く進むと森を終わり、広大な草原に出た。
「お父さん、あれがカウなのです?」
お目当てのカウは、探すまでもなく、集団で草を食べていた。
「そうだよ、とりあえず【隷属化】
して、 【亜空間トンネル】 でダンジョンの七階層に送ってしまおう」
隷属化の魔法が掛かったカウは、次々と亜空間トンネルに入っていく。アミがその中の1頭のカウに指をさした。
「お父さん、あのカウ、おっぱいが大きいのです」
「大きいねー多分、メスじゃないかな、今度乳を搾って飲んでみよう」
カウのおっぱいの大きさは、以前テレビで見た乳牛と遜色ないと思った。いずれ、牛乳を銭湯で売りたいな、風呂上がりの牛乳は格別だ。
「お父さん、カウは全部で五十頭位いたよ」
「数えてくれたのか、ありがとう。
この辺りのカウは捕り尽くしたから、移動しよう」
俺達は、カウをダンジョンに送っては、移動を繰り返した。今日だけで、百二十頭のカウをダンジョンに送った。半日の成果としては十分だろう。次回からは、亜空間トンネルで直接来れるしね。
「陽はまだ高いけど、そろそろ引き上げよう」
「お父さん、帰りにあの村に寄って行きたいのです」
「ああ、草原に向かって行く途中にあった村だね。シェリーとフォートもそれで良いかい?」
「私も寄ってみたいわ、食堂があったら入ってみたいし」
「僕も村に寄るのは賛成だよ。せっかくの旅行だから、色々見てみたい」
シェリーとフォートも乗り気だし、早速ウィンドライド掛けた。
村は森を抜けた所にあった。村の入り口には、看板が掛けてあり、 《フォレ村》 と書いてある。村に入っていくと、静かだ、まだ陽が高いのに、一人も出歩いていない。
【パーティーに移動結界】
「シェリー、フォート、アミ、嫌な予感がするから、みんなに移動結界を掛けたよ。用心して」
「解ったわ」
「はい、なのです」
「解った、お母さんとアミは僕が守る」
シェリーとアミは何時でも魔法を繰り出せる準備をし、フォートは腰のショートソードを抜いた。俺は魔法を使った。
【探索・悪意】
俺達に敵対する感情の持ち主を探す。両サイドの家に反応があり、数軒先にも反応がある。盗賊の類いか何かだろう。そんな事を考えていると、家から武器を持った男達が出てきた。
「おい! お前! 武器を捨て降参しろ! 降参すれば楽に殺してやる」
盗賊の一人が俺にそんな事を言ってきた。さて、どうする。殺さずに無力化は出来る。シェリーや子供達にグロは見せたくなし、ここは捕まえて王都の役人にでも引き渡すか?しかし、賊の一人の言葉が、俺の考えを一転させた。
「おい! この女、スゲー上玉だぜ。さっさと男を始末して可愛がろうぜ」
【金縛り】
盗賊は動けなくなり、声も出せなくなった。
「シェリー、フォート、アミ、悪いけど、先に宿に帰ってくれ、俺も直ぐに帰るから」
そう言って亜空間トンネルを、王都の入り口に繋げた。
「あなた、早く帰って来てね」
「早く帰って来るのです」
「僕は残りたい、残ってお母さんを嫌らしい目で見た男を殺したい」
フォートは怒りに燃えた目をしていた。
「気持ちは解るが、ダメだ。お前に人殺しはさせない。シェリーもアミもそうだ。これは親父の仕事だ。フォート、シェリーとアミの側に居てやってくれ」
フォートは何か言い掛けたが、頷いて亜空間トンネルに入り、シェリーとアミも続いた。
村の通りの真ん中にいるのは、俺と動けずにいる盗賊達。俺はシェリーを嫌らしい目で見た男に近づいた。
「俺を殺して嫁に手を出そうとしたのは、お前だよな。最初はお前達を生け捕りにして、役人に引き渡そうと思っていたんだ。でも気が変わった。全員この場で殺す」
腰の剣を抜いて首を跳ねる。頭部を失った体は、金縛りが解けて仰向けに倒れた。その様子を身動きの取れない盗賊達が、目だけで追っている。俺は盗賊の一人の金縛りを解いた。
「たッ、助けてくれ! もう盗賊はしない。真っ当に生きるから、殺さないでくれ」
「この村の住人はどうした? 殺したのか?」
「言う事を聞かない奴は殺して、後は村長の家に集めた」
「お前は平気で人を殺しておいて、自分は死にたくないとほざいている。ふざけんな……!」
腹に蹴りを入れ、踞ると髪を掴んで起こす。
「お前達のアジトは何処だ? そこに連れ去った人はいるか? 答えろ!」
俺はまず村長の家に案内させ、村人を解放した。そして役人を連れて来る様に頼み、盗賊のアジトに向かった。アジトは森の奥にあり、木の上に小屋を立てていた。小屋には八人の子供が鎖に繋がれて、逃げられない様にしていた。鎖を解いて話しを聞く。子供達は親を殺されて身寄りがなく、帰る場所がなかった。
【亜空間トンネル】
金縛りで動けずにいる盗賊達の場所に繋いで、案内させた盗賊を放り込む。勿論、体の自由は奪っている。
次はプレリの街の教会に繋いだ。シスターのエリプスさんに事情を説明して、保護を頼んだ。エリプスさんは快く引き受けてくれた。
今度教会に寄付をしよう。
今日一日色々な事があって疲れた。
俺は、亜空間トンネルをピエド王国に繋いで、シェリーと子供達が待っている宿に急いだ。
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