家族で観光
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王都を歩くと、至るところに水が湧いている。道の側溝にも綺麗な水が流れていて、野菜や果物を冷している家もある。俺達は観光の名所である湧水の池に来た。
「ひゃッ、冷たいのです」
「うわッ、本当に冷たい」
池の水の冷たさにアミが驚き、確かめる様にフォートも触れて驚く。
「ピエド王国って、水が豊富なのね」
はしゃいでいるアミとフォートを眺めながら、シェリーが呟く。
「エレベ山脈に降った雨や雪が、地中に染み込んで、王都周辺に湧き出てくるらしい。湧水の水温は一年中変わらないそうだ」
宿で貰った観光案内のパンフレットを読んで説明をする。湧水の池は、この他にも数ヶ所ある。数が曖昧なのは、現在進行形で増え続けているからだ。
「お父さん、お腹が空いたのです」
「それじゃ、昼ごはんにしよう」
観光スポットの、湧水の池の周りには、何軒かの食堂や土産物を売る店がある。その内の一軒に入った。
店内は香辛料の香りに包まれていて、インド料理店を思い出させる。
「いらっしゃいませ」
接客係に案内されてテーブル席につくと、メニューを渡された。そのメニューで気になる料理があった。
「この、エピスープはどういう料理ですか」
「エピスープは香辛料が入っていて辛いスープです。体が温まりますよ」
辛さは調節出来るとの事。俺とシェリーは普通の辛さ、子供達には甘口で作る様に頼んだ。
「美味しい! 辛いけど癖になる味よ」
「「美味しい!」のです!」
初めて食べた味なのか、シェリーと子供達は興奮して感想を述べる。
エピスープ、見た目はカレーに近い色をしている。少しサラッとしていて、スープカレーの様だ。一緒に注文した、小麦粉を練って平たくして焼いたパンを、浸して食べる。
「うん、美味い」
シェリーと子供達は、俺の食べ方を
見て、真似てスープに浸して食べた。
「「「美味しい!」」のです!」
「あなた、香辛料を買って帰りましょう。宿のお客さんに出したいの」
シェリーの興奮を抑える様に言う。
「解った、香辛料は市場で買えるから、王都を発つ時に買って帰ろう」
シェリーと子供達は、初めて食べたエピスープに夢中だ。香辛料はやはり温まる。食べ終わる頃には、みんな額に汗をかいていた。食堂を出た俺達は、涼みながら市場を下見して宿に戻った。
そして夜、子供達はベッドに入ると、すぐに寝息を立て始めた。今日一日歩き回り、疲れたのだろう。部屋には、四つのシングルベッドが置いてある。一人で寝るのはいつ以来か、結婚して、シェリーと一緒のベッドで寝る様になってからは、一人で寝る事はなかった。家族で一緒の部屋に泊まっているのだから、シェリーと同じベッドで寝るのは諦めた。一緒寝ちゃうとエッチしちゃうしね。シェリーも寝たようだし、俺も寝よう。明かりを消してベッドに入った。
目を瞑り眠ろうとした時、誰かが俺のベッドに入ってきた。目を開けるとシェリーが腕に抱きついている。俺は少し端に寄って、シェリーを迎えた。シェリーが、俺の股間に手を置いてきたので嗜める様に言った。
「シェリー、子供達が起きちゃうよ」
「子供達は寝ちゃうと、滅多な事では起きないから大丈夫よ」
シェリーは話しながらも、股間を刺激してくる。
「なるべく、声を出さない様にしよう」
そう言って致し始めたのだが、シェリーの声が大きくて、子供達が起きないかハラハラしてしまう。とっさにシェリーの口を手で塞いだ。何だこれ! 犯罪臭がハンパナイ! しかも、凄く燃える! 今まで子供達の事を気にしてたのが嘘の様に燃えに燃えた。口から手を離し、キスで口を塞ぐ。それを何度も繰り返す。
俺は全てを出しきった。シェリーも満足したのか、虚ろな目をしている。
俺とシェリーは抱き合って眠りについた。が、それがいけなかった。
「お父さんとお母さんは、何で裸で一緒に寝ているのです?」
「えーと……お父さん、夜中に寒くなって、お母さんに温めて貰ったんだ。そうだよね? お母さん!」
「ええ、そうね。もう大丈夫そうね、良かったわ」
俺とシェリーを、腑に落ちないと言った顔でフォートとアミが見ている。はっきり言って、苦しい言い訳だ。なので、強引に話しを変える。
「さぁ! 今日はカウの捕獲をするぞ! みんな! 張り切っていこう!」
「おおお!」 「「ぉぉぉ」」
シェリーの掛け声の後に、子供達の小さい声が続いた。
今回の事で俺は学習した。子供は寝ると、滅多な事では起きないが、朝になったら目を覚ます。
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