村作りとカウ
更新が遅れてすみませんm(__)m
楽しんで頂けたら幸いです。
ダンジョンの森の近くに、村を作る計画は、当初の村から街へと変更された。商業ギルドの主導で始まった街作りは、街道を少し逸れた場所に塀を作る所から始まった。勿論、俺も参加だ。
計画では、二キロ四方を塀で囲い、四方其々に出入口をつける。塀の高さは四メートルに決まった。俺は塀の建設を任されてしまい、仕方なくする事に。建築専門の学者が、標を付けた場所から、塀を建てる。
神格化してからの俺は、ある意味何でもありだ。レンガの塀をイメージ、高さ四メートル、厚さ一メートル、長さ二キロ、アーチ状の出入口。
【強固な塀】
地面が盛り上がり、塀を形成していく。一面が出来上がると、塀の終わった所から、また標に沿って塀を建てる。休憩を入れてまた建てる。
夕方には街を囲う塀が完成した。
「見事な塀です。流石ケンジさんです」
マークさんは、塀の造りに感動した様だ。ただ、少しは苦労した所を見せないと、いい様に使われかねい。
「いやー、魔力を使い過ぎて、一日や二日じゃ回復しそうにありません」
少し大袈裟に言うとマークさんは。
「ここまでして頂けたら十分です」
「それじゃ、お言葉に甘えて、暫く休ませて頂きます」
マークさんの了解も得たし、のんびりしようか……あっ、マークさんに会ったら、聞きたい事があったんだ。
「マークさんは、牛をご存知ですか? ミノタウロスの頭をした、四足で歩く動物なのですが」
「……牛ですか? 牛と言う名前ではありませんが、頭がミノタウロスに似て、四足で歩く動物はいます」
「本当ですか? 名前は何と言うのですか?」
「名前はカウです」
「カウ……そのカウは、何処に生息していますか?」
「カウは、リージョンド王国には生息していません。カウはピエド王国に生息しています。プレリの街から西に行き、エレベ山脈の国境を越えるとピエド王国です」
カウは、ピエド王国の草原地帯に生息している草食動物。ただ、ピエド王国は、カウを食べる習慣は無いらしい。それと言うのも、大昔にカウを食べた男が、ミノタウロスになって人を襲ったと言う伝説が、真しやかに伝えられている。頭は似ているけど、魔物と動物は別物だ。一通り
ピエド王国とカウについて聞いた俺は、マークさんと別れ宿に帰った。そして家族を食堂に集めた。
「みんなでピエド王国に行って、カウを捕まえよう」
いきなり言われたみんなは、ポカンとしている。その中で最初に我に帰ったのはシェリーだ。
「カウ……名前は聞いた事があるけど、カウを捕まえてどうするの? 食べるの?」
「ああ、七階層に連れて行って、牙イノシンの様に飼育するんだ。上手くいけば、この街の食生活が更に豊かになる」
俺は、みんなにカウの有り難くない伝説を話した。シェリーは知っていたが、子供達は知らなかった。そして、多分その伝説は眉唾物だと説明した。
「シェリー、フォート、アミ、どうだろう、家族四人で旅行も兼ねて行かないか?」
「行きたいのです!」
「うん、行きたい!」
「家族旅行なんて初めてよ! 素敵!」
フォートとアミは跳び跳ねて喜んでいる。シェリーは俺に抱きつき、キスの雨を降らせている。まだ話す事があるのだが……。
「それじゃ、決まりだ。明日出発するから、着替えとか、必要な物を用意してくれ」
「解ったわ、家族旅行……楽しみね!」
シェリーの腰に手を回しながら、みんなを見る。
「初めての家族旅行、みんなで楽しもう」
「うん」
「はい、なのです」
「あなた、素敵!」
最後のシェリーの返事は良く解らないが、カウの捕獲と旅行、楽しみが増えて、やる気が倍増した。
シェリーと子供達の笑顔を見て、やはり、どこの世界でも、家族サービスは必要だと思った。
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