ドラゴンスレイヤー?
「わーすごいのです!」
「お父さんすごいね、触ってみてもいい?」
アミとフォートは目を輝かせて、ブルードラゴンの魔石に触る。
ブルードラゴンの討伐から帰った俺は、裏庭に家族を呼び、魔石とドロップ品を出した。鱗は沢山有りすぎて、全部出すと鱗の山が出来上がるから、一部だけ出した。
「本当に凄いわね、大きな魔石に牙と爪と、鱗まで有るなんて」
シェリーは俺の腕を抱いて言った。
「ああ、鱗はドロップ品ではなくて、戦った時に剥がれた鱗が、ブルードラゴンが死んだ後も霧散しなかったんだ。鱗はオマケみたいな物かな」
シェリーはふ〜ん、と言って俺の腕を更に抱き締める。
「でも、ケンジが、無事に帰って来てくれて良かった、凄く心配したんだからね」
シェリーの少し悲しそうな上目遣いに、申し訳なくなり、抱き締めて謝る。実際、一度死んだしな。
「心配掛けてごめんね、もう無茶はしないから」
髪を撫でながらキスをする。シェリーの体から、力が抜けていくのが解る。
「本当に良く帰って来てくれました。お帰りなさい、あなた」
くはっ! 名前で呼ばれるよりも、 『あなた』 と呼ばれるとダメージが大きい!何のダメージかと言うと、俺の理性へのダメージだ。
「改めて、ただいま、シェリー」
そう言って、キスをして舌を入れる。
シェリーも応えてくれて、シェリーの舌を十分に堪能する。子供達はドロップ品で遊んでいるらしく、俺達の事は気にも留めないだろう。舌を吸ったり吸われたり
して段々夢中になっていった。
「お父さん、見るのです!」
アミの声に慌てて唇を離した。シェリーの瞳は潤んで、瞳孔が広がっているのが解る。またもや、やり過ぎたようだ。力が抜けきったシェリーを、抱えるようにしてアミを見た。
驚愕した。
「ちょっ、それダメ!」
あろう事かアミとフォートは、鱗をフリスビーの様にして遊んでいた。フォートの投げる鱗を、アミが両手で挟みキャッチする。鱗は生きていた時と違い、軟らかくなっている。
それでも、鱗で首を斬り飛ばされて、軽いトラウマになっている俺は
、止めるよう注意する。
「顔に当たると危ないし、売り物だからダメ!」
フォートとアミは、俺の注意を聞き入れて鱗を置いた。シェリーをテーブル席に座らせて、魔石とドロップ品と鱗を次々とウエストポーチにしまった。明日にでも、商業ギルドで買い取って貰おう。
夕食を済ませ、子供達も眠りついた時間。俺とシェリーは、ベッドの上で抱き合っている。
「来て、ドラゴンスレイヤーさん」
「何か、その呼び方恥ずかしいな」
俺の言葉に、シェリーはクスクスと笑った。
「……それじゃあ、来て、あなた」
シェリーの言葉に理性が完全に破壊され、貪るように致した。ブルードラゴンとの戦いで、気持ちが高ぶっていたのかも知れない。何度も致して、その度にシェリーは応えてくれた。致した余韻に浸り、二人抱き合ったまま会話を楽しむ。
「シェリーは満足した?」
「……うん……満足した」
俺の胸に顔を埋めて、恥ずかしそうに言った。
「決めた、俺はドラゴンスレイヤーじゃなく、シェリースレイヤーだ」
「……えっ、シェリースレイヤー?」
シェリーが顔を上げて俺を見る。
「ああ、ドラゴンスレイヤーなんて称号は、俺は要らない。でも、シェリースレイヤーなら欲しい」
シェリーは顔を赤くして、照れ笑いして頷いた。
「恥ずかしいけど、いいわよ、ケンジにシェリースレイヤーの称号を与えます」
「ありがとう、シェリー」
軽くキスをした。
「でもね、ケンジ、恥ずかしいから、周りの人達には言わないでね」
「解った、俺はシェリーとベッドの上にいる時だけ、シェリースレイヤーと名乗ろう」
俺の返事を聞いて、気を良くしたのか、シェリーの手がデリケートな所を刺激する。
「……うっ、……シェリー」
「ふふふ、なあにぃ」
刺激しながら、楽しんでいるシェリーに堪らず反撃をする。シェリースレイヤーの名は伊達じゃないぜ!
俺とシェリーは朝方まで致して、それから抱き合って寝た。
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