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白い塔の天辺で

土曜日の投稿の予定が遅れてすみませんでした。

楽しんで読んで頂けたら幸いです。

 長く暗いトンネルを抜けると、そこは白い塔の天辺だった。創造神様と初めて会った場所だ。この場所に来る前の事は覚えている、ブルードラゴンと戦い、首を斬り飛ばされて死んだ。でも、何故この場所に俺はいるのだろう。


 『その質問には、ワシが答えよう』

 心を読まれたのか、後ろから声が聞こえて振り返ると、光が集まり人の形になった。温厚そうなおじいさんが、杖をつき立っていた。


 「お久しぶりです、創造神様」

 『久しぶりじゃな、ケンジよ』

 「早速ですが、どうして死んだ俺が此処に居るのか理由を教えて下さい」俺は創造神様に詰め寄った。

 『ふむ、答えよう、が、その前にケンジに言う事が有るんじゃ』

 「何でしょうか?」

 『おお!ケンジよ、死んでしまうとは情けない』

 「……何処かで聞いた事がある台詞ですね」

 『そうじゃろう、この台詞は異世界に行ったら、一度は聞いてみたい台詞ナンバーワンじゃ』

 「いやいや、死なないと聞けないなら聞きたくないですよ!」

 胸を反らせドヤ顔の創造神様に思わず突っ込みを入れてしまった。


 『おかしいのう、この台詞を言ったら大ウケ間違いなしと言われたんじゃがのう』

 頭を掻いている創造神様に諭すように言う。

 「時と場合を考えて下さい、今の俺にはシャレにもなりません」

 創造神様は悪ふざけが過ぎたと思ったのか、俺に頭を下げ謝った。

 『さて、ケンジも許してくれたし、本題に入ろうかの、ケンジよ、もう一度あの世界に戻りたいか?』

 創造神様に問われて、俺は土下座をして答えた。

 「帰りたいです、あの世界には嫁さんと子供達がいます、俺には嫁さんと子供達が全てなんです、生き返る事が出来るなら、何でもします、生き返らせて下さい」

 創造神様は膝をついて俺の肩に手を置いた。

 『解った、今回だけは生き返らせるとしよう、今回だけじゃぞ』

 創造神様の言葉に。

 「ありがとうございます!」

 俺は五体投地で床に額を擦り付け、感謝の気持ちを体で表現した。

『今回の体は、以前よりもハイスペックな体じゃ、ブルードラゴンなぞ瞬殺じゃよ』

 ハイスペックとは有難い、しかし、気になる点があり質問してみた。

 「俺の元の体……遺体はどうなったのでしょうか?」

 『ふむ、遺体はブルードラゴンが食べておったな、ケンジの遺体に残る魔力を食べて、パワーアップしたわい』

 おおーなんて事だ、パワーアップしたブルードラゴンと再戦するのか。

 『心配せんでも大丈夫じゃ、新しい体に流れる魔力は、神聖魔力じゃ、パワーアップしたブルードラゴンでも問題無しじゃ』


 創造神様から、話しを聞いて新しい体を早く試したくなった。

『ケンジよ、創造魔法はな、星をも壊せる威力を持つ魔法を造り出せるんじゃ、ケンジは本当の創造魔法を知らない、本来なら、以前の体でも楽に勝てる魔物なんじゃよ、創造魔法を自由に造るんじゃ、常識にとらわれずに自由にな』

  創造神様の忠告に感謝しつつ、此れだけは聞いておきたい。

 「解りました、それと、一つどうしても聞きたい事が有りまして、創造神様から頂いた指輪、戦いの時に守ってくれなかったのですが、どうしてでしょうか」

 そう、創造神様は指輪をくれた時に、指輪が俺と家族を守ると言っていた。指輪の加護が無く俺は死んだ

 。どうしても聞いておきたいのだ。

 『指輪が有ったから、ケンジはこの場所に運ばれて来たんじゃよ、この場所は誰でも来れる場所じゃないんじゃ、ワシが選んだ人以外はな』

 なるほど、指輪が守るの意味はそう言う事だったのか、俺は創造神様に謝罪と感謝を述べた。


「創造神様、そろそろ行きます」

 

名残惜しいが別れの挨拶をした、直ぐに戻ってやる事がある。ブルードラゴンと再戦だ。

 『ケンジよ、言葉に囚われず、自由に魔法を使うんじゃぞ』

 創造神様が俺に手を翳すと、体が光りに覆われ始めた。

 「創造神様、ありがとうございました、行って来ます」

 転生の寸前に発した言葉は、創造神様に届いたかは解らないが、届いてなければ、教会に行けば会えるから気にするのは止めよう。


 転生した場所は俺が死んだ場所から離れてはなく、ブルードラゴンも確認出来る。俺の出で立ちは、前回戦った時と同じで、ミスリルのショートソードにカメレオンのローブ。

 さぁ、リベンジだ!








読んで頂きありがとうございます。

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