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ブルードラゴンと戦いそして……

 エレベ山脈は、モンターニ村を通り過ぎ、アルジャンテ鉱山を(また)いで西に進むと、大陸を縦断するかの如く延びていて、見る者を圧倒させる。山脈をウィンドライドで登りながら、ピンガーを放ち索敵する。小物の反応の他に、今迄に感じた事のない反応が帰って来た。

 ギリギリ目視できる距離で、ウィンドライドを破棄した。それは、山頂付近で翼をたたみ、じっとしていて寝ているようにも見えた。


「……ブルードラゴン」

 思わず言葉が漏れた。

 体長は二十メートルは有りそうだ。尻尾だけでも五メートルは有る。

 だが、大きさよりも威圧感が凄まじい。この距離でもひしひしと伝わり、全身が総毛立つ。俺はサンクタスサークルを重ね掛けして、慎重に魔法の射程距離まで近づいていく。ロングレンジで仕留める事が出来れば、それに越した事はない。ブルードラゴンとの距離は五十メートル、ギリギリ射程距離に近づいた俺は、最も威力の有る魔法で勝負を掛ける。消滅魔法、エクスティンクション。この魔法はアルジャンテ鉱山で、ミスリルゴレムを倒した時に使った魔法だ。消滅魔法は魔物の強さとかレベルを無視して、ただ魔物を消滅させる魔法だ。だが、欠点も有る。他の魔法と違い、魔法の発動にタイムラグが有る。エクスティンクションは、魔物の足下に魔法陣が現れてから発動する。ミスリルゴレムは動作が遅いし、動き出す前に魔法が発動したから、問題なく倒せた。ブルードラゴンもじっとしている今なら、倒せるはずだ。


 俺は手を前に出して唱えた。

「エクスティンクション」

 じっとしているブルードラゴンの地面に魔法陣が現れた。仕留めた! と思った瞬間、ブルードラゴンは一羽ばたきで空中に飛び立つ。俺はブルードラゴンの、あまりの鋭い動きに驚き動けない。上空を旋回していたブルードラゴンが、俺を見つけて急降下してきた。そこで、やっと動けるようになった俺は迎撃する。


「ファイア・ラプチャアヴァレット」

 連発した魔法が、急降下してくるブルードラゴンに着弾するも、(ことごと)く鱗に弾かれた。

「……くっ!」

 ブルードラゴンが爪か牙で攻撃してくるのかは解らないが、じっとして居るのは不味い。ウィンドライドでブルードラゴンのから距離を取ろうと移動した時、ブルードラゴンが速度を上げた、そのスピードはウィンドライドをはるかに超えていた。

『ギャャャャ!』

 ブルードラゴンは、咆哮を上げながら、俺に体当たりをした。結界ごと吹き飛ばされ岩に激突した俺は、すかさず反撃をする。

「ハイウィンド・カッター」

 長さ三十メートルはある風の刃が、ブルードラゴンを襲う。が、風の刃はブルードラゴンの鱗を剥がす程のダメージしか与えられない。


『ギャャャギャャ!』

 お返しとばかりに、ブルードラゴンの咆哮が無数の風の刃となって襲っくる。

 俺は更にサンクタスサークルを重ね掛けした。三重に掛けた結界が破られる筈はない。風の刃を受けきったら反撃だ。無数の風の刃が結界に当たって弾かれる中、一つの風の刃が結界を破り、俺の両膝を切断した。

 前のめりに倒れた俺は、痛覚を無くす魔法、イグノールペインを唱えて、ハイヒールを掛ける。部位の欠損は治らないが、痛みと血は止まるだろう。両手をついて上体を反らしてブルードラゴンを見る。いつの間にか三重に張った結界は跡形もなく無くなっていた。ブルードラゴンが近づいてくる、飛ばずに歩いてくるとは、勝ちを確信したのかな。

 まぁいい、俺を食べようと近づいた所に特大のファイア・ボールを叩き込んでやる!近づいてくるブルードラゴンを、俺は挑発した。


「おい、食える物なら食ってみろ、逆に俺がお前を食ってやる!」

 俺の挑発に、ブルードラゴンは足を止めて、首を傾げた。俺はファイア・ボールが確実に当たる距離に近づけさせる為に、更に挑発する。

「なんだ、怖じけずいたのか、ブルードラゴンなんて、大層な名前だが大した事ないな!」

『グゥゥゥ!』低い唸り声を上げたブルードラゴンは傾げた首を戻した。

 よし!さあ来い!俺の挑発に乗って近づいて来い!しかし、ブルードラゴンはそこから動かずに翼を広げた、すると、ブルードラゴンから、一枚の鱗が剥がれ飛び、俺の首を斬り飛ばした。俺は死んだ。













読んで下さりありがとうございます。

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