シェリーが俺から離れない
顔に当たる柔らかい感触に、ゆっくりと意識が覚醒され目が覚めた。目の前には、たわわに実ったシェリーの胸がある。その甘い果実に顔を埋めて甘い匂いを胸一杯に吸い込む。深呼吸のように繰り返してると、頭を撫でられ、起こしてしまったと気が付いた。
「おはよう、ケンジ」
シェリーは胸を更に押し付ける。
「ほぉはほぉ、ふぇふぃー」
俺はふがふが言いながら、精一杯のおはようを言ったが、シェリーが聞き取れたかは微妙だ。
朝食の後、俺とシェリーはマノンに話を聞くために、部屋に呼んだ。マノンの話しだと、マノンは両親と三人で、モンターニ村から北に行った所にある集落に住んでいた。父親は猟師で森に入り、魔物に襲われ怪我をした。一命は取り留めたものの、猟師は続けられず、借りた金を返せなくて、家族三人とも奴隷落ちした。両親が先に売られ、マノンはまだ幼くて買い手がつかず、王都の奴隷市場に出す事になり、奴隷商は護衛の冒険者を雇いマノンを連れて王都に向かう途中に盗賊に襲われた。マノンは頼る親戚もいない。
困ったな、いざとなったら、うちに住んで貰っても構わないが、どうシェリーを説得するかだな。俺はシェリーとマノンに、トイレに行くと断りを入れて席を立つ。何故かシェリーも着いてくる。シェリーは朝からずっとこんな調子だ。昨夜の討伐の件から、シェリーは片時も俺の側を離れない。
「シェリー、俺はトイレに入るから」
「うん、一緒に入るよ」
シェリーの即答に、何も言い返せず二人でトイレに入る。入った次いでに用を足すのを手伝って貰う。手伝うと言っても、手で添えて貰う位だが、ここで男と女の違いが出た。
「シェリー、紙で拭かなくて良いよ」俺の言葉に、不思議そうな顔をして言い返す。
「じゃあ、どうすればいいの?」
「こう……ぶるっ……と」
言葉で説明するのは難しいと思いながらも、なんとかシェリーに伝える事が出来た。
「解ったわ、えい!」
「いやいや、全然解ってないよ!」
「ケンジ、鞭みたいにしなってるよ」
「そんなに弄っていると、鞭が硬くなるし、もっとデリケートに扱って!」
俺の悲痛な叫びにシェリーも反省したのか、扱いが優しくなった。
「ねぇ、マノンの事だけど、うちで面倒見てあげましょうよ、ケンジもそう思っているでしょ?」
俺はシェリーの優しくなった扱いに、何とかこらえて答える。
「いい……の……か」
シェリーは優しく扱いながら話す。
「私は賛成よ、マノンをケンジの弟子として迎え入れるわ」
俺はシェリーに心を読まれていると言うか、握られていると言うか、いや、実際に握られているのは鞭なんだが……もう鞭じゃないな。
「……解った、マノン……を弟子にするよ、魔法を……教えて、身を守る……術を教えるよ」
俺は何とか途切れ途切れに答えると、ダムが決壊したように果てた。
「ケンジ、やっぱり紙は必要じゃない?」シェリーが勝ち誇った顔をした。俺はたった一言言い返した。
「……拭いてください」
俺とシェリーは、マノンの居る部屋に戻り、俺の弟子になって、この家に住む事を提案した。マノンは喜んで快諾した。
かくしてマノンは、俺の六番目の弟子になった。
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