表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/84

もぐら退治

今回の話しはグロいです。

苦手な方は引き返して下さい。

 マノンと子供達が寝て、街の大人達も眠る深夜、俺はシェリーを起こさないように、ベッドから出て身支度を整える。魔法のウェストポーチを巻いて、カメレオンのローブを羽織った時、シェリーが起きた気配がした。

「こんな夜遅くに何処に行くの?」

 振り返るとシェリーは、ベッドの上で上体を起こして、俺の返事を待っている。気付かれないように出ようと思っていたのに失敗した。俺は、シェリーに嘘をつきたくないから、此れからする事を正直に話す。


「マノンを保護した時、盗賊のアジトを見つけた、此れから討伐してくるから、寝ていてくれ」

 俺の言葉にシェリーは。

「ケンジの様子がおかしいとは思っていたけれど、その事だったのね。それは、ケンジがしなければいけない事なの?兵士に任せてしまえば良いじゃない」

 今にも泣きそうな声で俺を止めようとする。俺はベッドに座り、シェリーを抱き締める。

「俺じゃなきゃ駄目なんだ、俺しか出来ないんだよ、盗賊のアジトを見つけたのは、()()()()偶然だ、けど、俺達が盗賊に会わなかったのも()()()()なんだよ、この先、俺がいない所で、フォートとアミが出合ってしまう事があるかも知れない、俺は、家族に害をなす連中を許さない、心配掛けてごめん、けど、無事に帰って来るから、寝て待っていて欲しい」


 俺はゆっくりと言い聞かせた。

「ケンジは強いから、怪我なんて心配してないわ、ただ、ケンジの心が心配なの、あなたは優しいから」


 俺はシェリーの髪を撫でながらキスをした。

「もし、俺の心が傷付いたら、その時はシェリーが癒してくれ」

 俺はベッドから立ち上がりドアをあける。

「ケンジ、行ってらっしゃい、怪我しないで、私の所に帰って来てね」

「ああ、行ってきます」

 俺は部屋を出ようとしたが、思い付いたようにシェリーに聞いた。

「なぁ、シェリー何で俺の様子に気付いたんだ?」

 シェリーは何故かモジモジしながら。

「ケンジ、今夜は一度も私を求めなかったから、何かあるのかなと思って」なるほど、毎夜腰振ってた猿が一度も腰振らなかったら、そりゃ何かあると疑うよな。俺は納得して、シェリーにもう一度キスをして部屋を出た。


 月夜は草原を青く浮かび上がらせている。幻想的な風景なのだが、此れからする事を考えると、感傷にも浸っていられない。

 ピンガーを放つと、()()には反応がない、今度はアース・ピンガーを放つ、すると、草原の下から反応がある。盗賊のアジトだ。奴らは土を掘って地下で暮らしているみたいだ。入り口を探すとすぐに見つかり、カモフラージュにされた草を退けて剣を抜き中に入る。中は通路のようになっていて、幅は一メートル位で数ヶ所にランプが掛けてある。

 俺はサンクタスサークルムーヴを掛け、ずかずかと入って行く。通路の右と左に部屋があり、通路の行き止まりも部屋になっているようだ。部屋にドアはなく、暖簾(のれん)のような物が掛けられている。


 左の部屋から男が出てきた。俺に気づき大声を上げて仲間を呼ぶ、ファイア・ラプチャアヴァレット放つと、大声を上げてた男は破裂した。魔物用に作った魔法だから、威力がありすぎる、はっきり言ってオーバーキル。右と左の部屋から出てくる賊を順々に破裂させていく、途中から『もぐら叩き』 をやっている感覚になり可笑しくなった。やがて部屋から賊が出なくなり、部屋を覗いて確認する。二人ほど隠れていたのを破裂さして、通路の突き当たりの部屋へ行く。さっき、戦っている最中、一度も賊は出て来なかった。剣で暖簾(のれん)を横に開いた刹那、俺の胸に矢飛んできた、が、結界に阻まれ地面に落ちる。部屋の中に体格の良い禿げた男がいた、男は持っていた両手剣を構えた。

「てめえは何者だ!」

 俺は無言で男の足にファイア・ラプチャヴァレットを放つ。足は破裂して男は倒れた、俺は近づいて男の首に剣を刺した。

「俺が何者かなんて、お前が知る必要ないんだよ」

 死んだ男に捨て台詞を吐き、剣を引き抜いて鞘にしまう。アジトを出て、ミドルアース・ワンプを使いアジトを潰す。その上に土を撒いて証拠隠滅。盗賊の討伐と地ならしで、一時間ほど掛かった。


 宿(うち)に戻り、裏庭に出て、桶に魔法で水を注ぎ体を拭く。

 結界魔法で返り血を浴びる事はないが、そのままシェリーの眠るベッドに入りたくなかった。

 部屋に入ると、シェリーは俺が言ったように寝ていてくれた。

 俺はシェリーに背を向けて横になった。が、眠ろうとして目を瞑ると先程の光景が目に浮かび、体が震えてくる、息も荒くなって呼吸ができず苦しい。

「……はあ……はあっ……はあっ」

 俺はつい声を漏らした、すると、後ろからシェリーが俺に抱きついてきた。

「ケンジ、私達を守ってくれてありがとう」

 シェリーの声と温もりが、俺の心を癒して和らげる。俺はシェリーに抱き締められ、朝方やっと眠りについた。







読んで下さりありがとうございます。

良かったら、感想など送って頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ