表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/84

ディエスの友達

 物音がして目を覚ます。シェリーが着替えている、朝食の準備に厨房へ行くのだろう。薄目で見ていると、支度を終えたシェリーが俺の頬にキスをして部屋を出て行った。俺は愛されてるな。ベッドから出て着替えて食堂に行く。シェリーとマリーさんは厨房に、テーブルにはフォートとアミが座って、料理を待っている。


「おはよう、フォート、アミ」

「「おとうさん、おはよう」です。」

 子供達は朝から元気一杯、アミは待ちきれないのか、フォークとナイフを手に持ち、待ち構えてる。

「ケンジ、おはよう。」

「おはよう、シェリー。」

 丁度料理を運んで来たシェリーにおはようのキス。さぁ食べよう。

 ベーコンエッグにパンにサラダ。

 ホテルのモーニングみたいだ。


 食後のハーブティーを飲んでると、

 ディエスが俺達のテーブルにやって来た。

「昨日、王都の友人から手紙が来て、今日プレリの街に着くと書いてありました、ぜひ友人に師匠を紹介したいのですが、宜しいでしょうか。」ディエスの話しでは、魔法学校で一緒に学んだ友人だそうだ。


「いいよ、そう言う事なら、午後の練習をやめよう。友達とゆっくり話したら良い。」友達は大切だ、俺は、家族はいるが、この世界に友達と呼べるヤツはいない。何せコミュ症なもので。


 ディエスの友達が宿に着いたのは、昼を少し過ぎた頃だった。

「こんにちは、こちらの宿にディエスと言う女の子はいますか。」

 シェリーが受けてディエスを呼びに行く、俺はディエスの友達を見る。

 女の子だ、背が小かく黒髪のめがねっ子、それにしても、オレンジ色のローブとは派手だな。そんな事を考え待っているとディエスが来た。


「メリア、久しぶりですね。」

「ディエスも元気そうで何より。」

 久しぶりの再会なのだろう、二人は抱き合って喜びを表している。

「メリア、紹介したい人がいるの。」

「こちらは私の魔法の師匠、ケンジ先生よ」先生って、照れるな。

「初めまして、ケンジです。ディエスから話は聞いたよ、学校の同級生だってね、よろしく。」

「メリアです、こちらこそよろしく。」


 軽く挨拶をして自己紹介が終わり、

 メリアがうちに宿泊する事になり、ディエスはメリアを部屋に案内した。夕食後、ディエスとメリアが俺に相談があると言うので、食堂で話す事になった。

「鉱石を取りにアルジャンテ鉱山に行きたいのです。」

 アルジャンテ鉱山は、プレリの街から西に行き、ラック村を通り、そこから2日ほどでモンターニ村に着く

 。モンターニ村はアルジャンテ鉱山の麓にある村で、鉱山に入る鉱夫はこの村をねぐらにしている。プレリの街から3日ほどの道のりだ。


「メリアは、鉱石を取りに行くのに冒険者を雇って行くと言うのです。私はメリアが冒険者を雇う事に反対してます。」

 ディエスの反対する理由はこうだ。

 女の子1人に複数の冒険者が付いて、往復1週間の旅をする。荒くれ者の冒険者達がメリアに善からぬ事しないか心配なのだ。まぁ、気持ちは解るな、メリアをシェリーに置き換えたとする……絶対冒険者など雇わない!


 俺はメリアに提案する。

「俺を雇わないか?弟子のディエスもサービスで付けるぞ。報酬は金貨10枚、格安だ。」

「本当にその金額で宜しいのですか?」メリアは目を丸くして聞く。1週間ボディーガードする金額としては、確かに破格だろうな、1週間としては、な…

 俺がそれで問題ないと言うと、メリアは快諾して、俺達を雇う事になった。


「そうと決まれば、シェリーに家族全員のお弁当を頼まなきゃ。」

「ええっ、家族全員!」

 メリアはびっくりして椅子から立ち上がった。


 俺は笑顔でメリアに言う。

「うちは移動する時、家族全員です。」







読んで下さりありがとうございました。

感想などあれば、送って下さると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ