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時と刻の交差点2  作者: 肉まん大王
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~新しい時と刻の始まり~

知らない部屋に突然来た美由紀の前には、質素で特に何も無い部屋の中にいた。

「ジンここはどこ?」

「近くにルナの気配が無い・・」

部屋の中をキョロキョロしていると、入口のドアの向こうからこそこそ声が聞こえてくる。

「ギャラ本当に来ているんだろうな」

「はい、陛下、先ほどその様な気配がありました」

「確かに気配はするな」

「はい、陛下」

「ギャラ先に見てこい」

「陛下それはお譲りします・・」

「ギャラ命令だ」

声は陛下と呼ばれた方が若そうな声でギャラと呼ばれた方が野太い声だった。

美由紀は声のするドアへ近づきドアをゆっくり開けながら。

「すいません・・ここはどこです・・・か!!」

開いたドアの向こうの光景を見て驚愕した。

美由紀の前には頭に羽飾りを付けた2mはありそうなゴリラと服を着たライオンが会話をしていたからだった。

「ご、ゴリラとライオンがー喋ってるー」

美由紀が思わず叫ぶとゴリラとライオンがドアから現れた自分達と違った人型を見て同時に。

「て、敵襲」

この後、美由紀は猿の軍団に囲まれ捕まったが事情を説明して開放された。


開放された美由紀は王の間と呼ばれている部屋で歓迎を受ける事になった、部屋に入ると特に机などはなく床に座る様に言われて座っていた。

少しするとギャラと呼ばれたゴリラを先頭にぞくぞく入ってくる。

そして入って来た動物達は美由紀を見ながら各々決まっている場所に腰を下ろした。

また少しすると一段高い場所に服を着たライオンが現れた。

入って来たライオンを見た動物達は立上り頭を垂れ、それを見た美由紀も同じくお辞儀をし、それを見たライオンが満足そうに。

「一同集まったか、これより我らの救世主と戻った魔具の歓迎を始める」

ライオンがそう言うと猿軍団が食べ物を配り始める。

前に置かれた食べ物を見た美由紀はこれは自給自足しないと餓死すると思った。

とりあえず食べれそうな果物をいくつか口にしてみた、その中でもドッカと呼ばれる桃に似た果実が美味しかった。

少しするとライオンが降りて来て、部屋にいる動物達の紹介を始めた。

ライオンはここの元国王でトレート、一番大きい羽付きゴリラが親衛隊長のギャラ、毛色が白い虎が陸戦隊長のルク、片目の無い大鷲が空戦隊長のセマ、ギャラにも負けない大きさのワニの水戦隊長のカシー、各隊長の下にいくつかの部隊がある事を教わった。

紹介が終わるとこの国の情勢を話始めた。

現在この星には動物国、美由紀と同じ人間とトカゲ人間の存在があり、元々の土地から辺境へ追いやられた。

トレートの話によると、昔は動物だけがいた星で後から人間とトカゲ人間が現れ侵略が始まったが人間とトカゲ人間の使う魔法に対抗できる手段が無い動物達は苦戦していた時、何人かの人間が協力し魔具をくれて応戦したそうだが、約250年前にその魔具の1つが盗まれて行方不明になったそうだ。

魔具をよく見るとトレート達の付けている魔具と同じマークの様な物が刻まれていて、それが行方不明になった魔具の証拠になっていた。

そこまで聞いたところでジンがルナ間会話で話かけてきた。

「美由紀が夢で会ったトカゲ人間がUDSから押収した魔具があったがそれがそうだったのか」

「じゃールナがこの星にも?」

「まだルナの気配はないが、いるかもしれない」

「トレート達にはルナはいるのかな?」

「ルナの気配がないので魔具だけの様だ」

それを聞くと美由紀はトレートにこう質問をした。

「魔具の意思との契約でここに来たけど、トレートは今後どうしたいの?」

するとトレートが意外な答えをした。

「我々の先祖が築いた土地を返してくれればそれでいい・・」

「我々は多くの血を流し、これ以上の流血は滅びの道しか残っていない・・」

「できればこの星から出て行ってほしいが、それだけが我々の要望だ」

「それが聞ければOKだよ、来ちゃった以上手伝わない訳いかないし」

最後に美由紀はそう言うとルナの事などの情報をトレート達に教えた。

そして最後に食事については自分で作るのとドッカだけは確保して欲しいと頼んでみた。

トレートが了解したのと同時に部屋に慌てた猿が入ってた来てトレートに報告をした。

「トカゲ人間が西の山に現れました」

その報告を聞いたトレートは元の一段高い場所に上がると

「ギャラ編成をして追い返せ」

言われたギャラは美由紀に同行をお願いし、美由紀はそれを了承した。


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