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第26話 何で言うかな~

 どうしようかと悩んでいる所に、部屋が揺れた。

 あまりに激しく振動するので地震かと思っていたが。

「何で、部屋が揺れているの?」

「此処はどんな地震であろうと揺れる事が無いように設計されていると言うのに」

 部屋が揺れている事に驚いているヴィオレット達。

 それって、つまり部屋を振動させる程の衝撃をもたらす者が来たという事だよね。

 ……何となくだけど、その者達は僕の知り合いの気がするな。

 そんな思いでいたせいか、何処からか走っている音が聞こえてきた。

「ここら辺に居るのか?」

「ああ、わたしが事前に仕掛けた追跡魔法陣の反応はここら辺から出ている」

 ユエとリリムの会話が聞こえ来た。

 ちょっと待って。なに、その追跡魔法陣って? そんな物を仕掛けられているとか初めて聞いたのだけど。何時の間に仕掛けたの? 初耳なんだけど。

 後で訊こうと思っている所に戦闘態勢を取っている椎名さんが僕達を見て、刃の様に鋭い目が叩きつけてきた。

「っち、竜モドキの分際で、もう正体を嗅ぎつけたのね」

 舌打ちと共にそう言う椎名さん。

 待って、まだ何も言っていないし、エリザさん達も何も気づいてないから。

「はぁ? 久しぶりにあったと言うのに、無礼な事を言うだけでは無く意味不明な事を言い出すとは。相変わらず、頭が花畑ね。シイナ」

 エリザさんは椎名さんが言う事を馬鹿馬鹿しいと言わんばかりに切り捨てた。

 その言葉に頭に血が上ったのか椎名さんは目を更に細くした。

「誰が頭の中が御花畑よ。失礼ねっ」

 激昂する椎名さん。

「……あながち、間違ってはいないな」

「お花畑というよりも、自分が異常だという事を知らないで行動していると思いますがね」

 ユエとリリムはコソコソと話していた。

 …………これについてはノーコメントとしか言えないな。

 色々とアウトな事をしているからな。

 二人の話が聞こえたのか、椎名さんは怒鳴りだした。

「何を言っているのよ。二人共っ、こうやって連れて来たのだって、リウイ君の前世を察して連れて来たのかも知れないのよっ。こっちの方が十分に異常でしょうっ」

「あっ、馬鹿」

 椎名さんの言葉にユエは止めようとしたが、其処にエリザさんが先に訊ねた。

「前世? どういう意味?」

「リウイ君の前世が猪田君って事よっ。…………あっ」

 椎名さんは言い終えて失言したと気づき、口を開けていた。

 椎名さんの言葉を聞いて、エリザさんは僕を見た。

 というか、ヴィオレット達も僕を凝視した。

「……どういう意味か教えて貰おうかしら?」

 嘘は許さないとばかりに僕を見るエリザさん。

 なので、僕は此処に来るまでの経緯を渋々話した。

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