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第25話 何処に行っても

 ダンジョンに入り、あわよくばエリゼヴィアさんに会えたら良いなと思っていた。

 そんな不純な思いで入ったのが悪かったのかな。まさか、こうなるとは。

「それにしても、このダンジョンの最上層まで来る者は珍しいけど、まさか子供が来るとは。しかも魔人族の」

 そう言って僕の頬を撫でたり突っついたりするのは、エリゼヴィアさんの家のメイド姉妹の長女のヴィオレットであった。貴女、昔は真面目な性格だったけど、見ない間に性格変わった?

「言えてるわね。まぁ、どうせ入口近くに作っていた移動用の魔法陣に偶々引っ掛かって来たんでしょうね。でも、使い終わったら消すようにしている筈だけど」

 そう言って、首を傾げながら僕の頬を触るのは侍女のメアタンだ。

 こっちは変わりないな。何故か安心するな。

「ごめんごめん。それは多分、わたしだ。下の街に買い物に行ったけど、消すの忘れてた~」 

 舌を突き出しながら自分の頭を小突くのは三女のアズウクレ。

 こっちも変わりないな。いや、もっと面倒になっているか?

「アズ。そういうのはちゃんとしなさい。だから、こういう事になったんでしょう。全く、坊やも大変だったでしょう」

 そう言って頭を撫でてくれるのは四女のヴェルデドゥ―ルだ。

 前世の知人に頭を撫でられるのは、何時になっても慣れないな。

「でも、どうして魔人族の子が此処に? 魔国とこの国は国交を結んだって話は聞いてないけど?」

 五女のジュ―リロは不思議そうに首を傾げた。

 貴女の方は語尾に変な口癖をつけるのを止めましたね。何か普通になったな。

「……怪しいな」

 六女のナランツオ―ネはボソリと呟いた。

 相変わらずあまり喋らないのは変わりなしか。というか、ボソリと言うから余計に言葉に重みがあるな。

「殺す? それとも尋問してから殺す?」

 七女のビヒモンは相変わらず過激ですな。

 って、まずいな。このままでは殺されるかも知れない。

「え、えっと、僕は……」

 どう言えば良いかな?

 この大陸に来た経由から話すべきか? それとも、僕が前世の記憶がある事を告げるべきか?

 どう言えば良いかなと悩んでいると。

「止めなさい。子供にそんな事をする必要はないわ」

 そう言うのは誰だと思いながら、そちらに首を向けると其処に居たのはエリゼヴィアさんであった。前世の記憶では子供みたいな体形であった。

 今も変わらずそのままで、体形も変わっていなかった。

 ロリ巨乳というらしい。最近知ったが。

「それにしても、坊や。名前は何と言うのかしら?」

「……リウイです」

 とりあえず名乗ったが、エリゼヴィアさんはジッと僕を見た。

「そう。リウイね。魔人族の子が此処に来た理由は知らないけど、貴方、帰りたい?」

「帰れるのですか?」

「ええ、ダンジョンの外に出るけど」

「ああ~、それは」

 そうなると行き違いになるかもしれないな。どうしようか?

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