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第18話 何だ。ここは?

 数日後。


 当初、公都に向かわず通り抜けようとしたが、マイちゃんが。

「ちょっと用事があるから、セナと一緒に公都に戻っても良い?」

 と言うので、好きにさせた。

 ユエと椎名さんとリリムは笑顔で送ったが、ミリア姉ちゃんも特に文句ないのか好きにさせていた。

 規律とかに五月蠅くない人だからな。まぁ、僕もとやかく言うつもりは無い。

 姉さんが何も言わないので、僕達は構わずエトナ山へと向かった。

 

 それから更に数日してエトナ山に着いたのだが。

「何だ。此処は?」

 僕は思わず呟いた。

 山と言うので、てっきり山脈があるだけだと思っていたが、その山に向かう道には町があった。

 その町には多くの人で賑わっていた。

「この山には龍が居るのに、どうしてこんなにも多くの人達がいるんだ?」

 歩いている人達を見ながらユエに訊ねた。

「……そうだな。分かりやすく言うと、この山は観光地になっているのだ」

「観光地⁉」

 なに、それ? 

 龍が住む山が観光地って、何でそうなるの?

「どういう事?」

「魔法で龍になり、この山の主になったエリゼヴィアが住んでから暫くすると、山を改造してな。それで景観が良くなってな。攻撃しなかったら危害を加えないと分かっているからか、多くの人が来てな。人が集まった事で町が出来て、今に至るという感じだ」

「龍が住む山を観光地にするとか。凄いな」

「公国も龍が住む山に行けるという事で売れると思ったのか、道の整備とか資材の調達とか色々と力を入れているのだ」

「でも、龍を狩ろうとする人達ぐらいはいるでしょう。そういう人達はどうしているの?」

「そういう者達は撃退しているそうだ。詳しくは知らないが、山を改造する際、ダンジョンにして侵入者を撃退しているそうだ。その侵入者の武具も用意しているという話もあるぞ」

「何で、そんな事を?」

「……ああ、成程。商売か」

「多分、そうだろうな」

 僕がダンジョン化した理由から思いついた理由を言うと、ユエも同意した。

「ダンジョンを作って、自分を討ちに来る者達に向けて武具や宿などを用意して金を落させるか。考えたな」

「一攫千金を狙う者達には素晴らしい環境ですが。自分が討たれる心配は無いのでしょうか?」

「噂ではエリゼヴィアの部屋に通じる道には公国軍の部隊が駐屯して通さない様にしているという話もあるぞ」

「恐らく、ダンジョンに入る者達が落とした金は税として公国に収められているんだな。じゃなかったら、公国軍の部隊が駐屯している訳が無い」

 表向きか。それとも密かになのかは分からないが、そういう噂があるという事自体が公国の上層部に繋がっているという事だろうな。

 じゃなかったら、そんな噂を流す必要は無いしな。

「リウ。今日はどうする?」

「とりあえず、今日は宿に泊まろう」

「りょうかい~」

 僕達は手ごろな宿に泊まり、エリゼヴィアさんに会うにはどうするか話し合った。

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