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第9話 何がどうなっているのやら

 

 姉達が揉めている間に船は地上に着陸した。

 この隙に副都に入り、店がどうなっているのか見てみるか。

 僕がブリッジから出て行くと、直ぐにマイちゃんも後を追いかけた。

「付いて来る?」

「勿論」

 他の人は付いて来る気はない様なので、僕達は船のハッチへと向かった。

 

 降りる際、徒歩で行くよりも何か乗り物が会ったほうが良いなと思いバォバロンの前に来た。

 そして、小型化したバォバロンを出してそれに乗ろうとした瞬間、背筋に寒気が走った。

 まさか、もうバレたのか⁉

 そう思いながら周囲を見ていると、物陰からアリアンとアルトリアの二人がこちらを見ているのに気付いた。

 何かその視線に尋常ではない気を込めているのが分かるが、何で?

 見つかった以上、連れて行くべきだろうか? 

 そう考えて居るとマイちゃんが二人を手招きして来た。

「おいで、おいで~。リっ君が乗ってくれない様だから、護衛として付いて来れば良いじゃない」

 ああ、成程。護衛する為に見ていたのか納得。

「二人共。付いて来てくれる」

 僕がそう言うと二人は互いを見て、何か二納得した。

「では、僭越では有りますが。お共に」

「ふぅ、いい加減、わたくしに乗ってくれると良いのだけどね」

 何か含む所があるような言い方だな。

 僕達は副都へと向かった。


 久しぶりに副都に入ったが、相変わらず盛況だな。

 道は様々な種族の人で溢れ返っているし、何処かしこで商売をする声が聞こえてくる。

 賑やかな風景を見ながら、アルトリアは護衛として付いて来たので周囲を警戒し、アリアンは何かブツブツと呟いていた。

 僕はバォバロンに乗っており、その後ろにマイちゃんを乗せて眺めていた。

「大きな都市だね」

「そうだね。まぁ、此処まで発展したのは、三百年前だけどね」

 三百年前をこの間みたいに言うとは、年季を感じるな。

 まぁ、実際、僕よりも遥かに年上。

「何か良からぬことを考えて居ない?」

「滅相も無い」

 おっと、女性に年齢の事はタブーだったな。

 それにしても、相も変わらず勘が良いようで。

 そう思いながら、僕達は『翔鵬商会』の店舗へと向かう。

 前に来た時は大きな店舗になっていたが、今はどうなっているのやら。

 まさか、二号店とか出来ているとか無いよな? そうなったら、また仕事が増えるんだよな。

 そう思いながら歩いていると、露店で買った食べ物を美味しそうに食べているティナを見つけた。

 久しぶりに幼馴染に会うのは悪くないな。

「ティナ」

「うん? ああ、リウイ…………」

 僕の声が聞こえたのか、ティナは買った物を咥えながら周りを見ていると、僕を見つけて笑顔になったが、直ぐに真顔になった。

「どうかした?」

 僕がそう訊ねると、ティナは買った物を食べながら顎をしゃくる。

 その先にはマイちゃんが居た。

「…………は~ん」

 ティナの反応を見て、マイちゃんは何か分かったのか僕に抱き付いて胸を押し付ける。

「ちょっ、なに?」

「ふふ~ん」

「ぐ、ぐぐぐ」

 マイちゃんが笑うとティナが不機嫌な顔になって来た。

 何がどうなっているんだ?

 マイカとアルティナがリウイを挟んで睨み合っている中。

「我が主は、どうにも女性の好意に鈍い所があるな」

「そうね」

 アルトリアとアリアンは困った物だと言わんばかりに溜め息を吐いた。

「主の足はわたしであったに、あの金属のトカゲモドキめっ。わたしの役目を奪いおって」

「その気持ち、よく分かるわ」

 アルトリア達はアルトリア達でバォバロンを睨んでいた。

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