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第8話 副都に到着

 空の旅を楽しむ事、数日。

 僕達はようやく『副都』が見える所までたどり着いた。

 このまま船を下ろして、補給をしようと思ったが、其処にマイちゃんが待ったを掛けた。

「前は何とか誤魔化せたけど、今回はちょっと無理かな」

「そうなの?」

「前は連絡ミスで何とか通して、公王家から厳重注意を受けた事で何とか許してもらったのよ。流石にそれでもう一度同じ事をしたら面倒な事になるわ」

「どんな事が起こるの?」

「……王宮に呼び出されて嫌味と叱責のオンパレード」

 あまりに身につまされる事を言うので、僕は目に涙を浮かべてしまった。

「それは確かに面倒ですね。仕方がありません。着陸しても問題ない所に降りて迷彩モードに移行して船を隠して副都に入るとしましょうか」

 何時の間にか艦長みたいな事をしているイザドラ姉上がマイちゃんの話を聞いてそう決断した。

 少しは人の事で配慮する様になったのか?

「ほぅ。イザドラよ。お主も少しは人に配慮する事を覚えたのかえ?」

「まさか。しかし、マイカがその面倒な事に時間が潰されたら、我らがハノヴァンザ王国に到着するのに時間が掛かる事をなりましょう。そんな面倒な目に遭うのは御免です」

 ロゼ姉様が訊ねると、清々しいぐらいに自分の理由を言う姉上。

 まぁ、こうひう人だからな。仕方がないか」

「むぅ。清々しいと言える位に自分本位。皇女様と言うも伊達ではない様ね」

「はっ、何を言っているのです? わたしは別に貴女の事で配慮する必要がないから、そうしているだけですよ」

 そう言って姉上は僕を抱き寄せる。

「もし、リウイが同じ立場であれば十分に配慮しますよ。ええ、可愛い弟なのですから当然です」

 ここまで身内びいきが凄いと呆れるを通り越して尊敬するね。

 頬ずりしてくる姉上の顔を手で防ぎながら思う。

「むぅ。やはり、一番の強敵はイザドラさんか」

 マイちゃんが悔しそうな顔をしていると、ヘル姉さんも羨ましそうな顔をしていた。

「いいな…………」

「そうですよね。お姉様~、という訳で傷心なわたしを慰めて下さい~」

「…………えっ?」

 マイちゃんがヘル姉さんに近付くが、ヘル姉さんはマイちゃんが近づいて来るので、誰かに助けを求めようと周りを見るが。

「フェル姉。街に行ったら買い物しない~」

「良いわね。偶には服を買わないと駄目よね」

「妾も付いて行っても良いか?」

「いいよ~」

 だが、他の姉さん達は見て見ないフリをした。

 見捨てられたと分かり、ヘル姉さんはショックを受けた。

 可哀そう過ぎるので思い助け船を出すか。

「マイちゃん。街に降りたら、一緒に見まわらない?」

「えっ? 良いのっ⁉」

「別にいい」

 と言葉を続けようとしたら、頬を抓られた。

「いはいれる、あねふえ」

「姉を放っておいて、他の女とデートとはリウイは悪い子ですね」

 買い物ぐらいしても良いじゃん。別に。

「という訳で、リウイは今日から暫くの間はわたしと一緒に居る様に」

 何故⁉

「イザドラ。それは横暴じゃっ」

「ブー、ブー」

「姉の特権なら、わたし達も良いでしょうっ」

「……え、えっと、みんな、とりあえず落ち着いて」

 何か姉さん達で口論が始まりだした。

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