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第4話  それは有りなのか?

「……うーん」

「どうしたものか……」

 船内にあるラウンジで僕と龍月さんは頭を抱えた。

 龍月さんから相談された事をどうしたら解決出来るのか悩んでいた。

「どうした? 二人揃って頭を抱えて」

「ああ、西園寺君。丁度良いところに」

 僕達が頭を抱えていた所に西園寺君達がやってきた。丁度いいや。天城君の事で相談しよう。

「実は」

 龍月さんに相談された事を話した。

「ふむ。そう言われて見ると、其処まで考えていなかったな」

「と言うか、リウイよ。お前が其処まで悩む事か? 前世のお前を殺した奴の事だぞ」

 斉藤君がそう言うと、遠山君は何も言わないが、何となく雰囲気で天城君の事を非難している様に感じた。

 それを聞いて龍月さんは気まずい顔をしていた。

 しかし、僕がフォローしたら余計に哀れに思えるしな。どうしたものか。

「ああ、リウイ。此処に居ましたか」

 そんな声が聞こえると同時に抱き抱えられた。

 突然の事で、皆は驚いているが僕は冷静に訊ねた。こんな事をするのは一人しかいない。

「姉上。ブリッジは良いんですか?」

「やることが終わりましたので、リウイに会いに来ました」

 そう言って僕に頬擦りするのは予想通りイザドラ姉上だった。

 姉上の姿を見るなり、龍月さんはガタガタと身体を震わせていた。

 姉上はそんな龍月さんなど気にも留めないで僕に訊ねる。

「それで何に頭を悩ませているのです?」

「隠す事でもないか。実は」

 龍月さんから相談された事を姉上に話した。

「そんな事で頭を悩んでいたのですか。全く、リウイは人が良いですね」

 そう言いながら僕の顎を撫でてくる。

「良いでしょう。此処は姉であるこのわたくしが、このわたくしが良い解決法を提案しましょうっ」

 何故二度言った? と思うが良い案があるのなら教えてもらおう。

「その解決法って?」

「簡単な事です。遺灰を持って帰っても問題ない様に話を作るのです」

「話を作るか。まぁ、悪くはないか。どんな話にもよるけど」

「ふふふ。わたくしに任せなさい。既に考えております」

「へぇ。じゃあ聞かせて」

「そのアマギとやらが、魔王との最終決戦に赴き勝利したが、その戦闘の余波で天井が壊れ瓦礫がアマギの頭に直撃して死亡。そんな死に方に納得出来なかったアマギは成仏出来ず、死霊として世を漂っていたが、其処に死霊術師が現れてスケルトン・ソルジャーとして甦り自分を召喚した王国をその死霊術師と共に滅ぼしたが、本心では成仏したかった。其処にリウイ達がやって来て、死霊術師と共に倒した。そして、成仏する前にそのアマギは自分の灰を家族に届けてくれと頼んで成仏したのです。そのアマギの最期の願いを叶える為に灰を持って帰って来たといのはどうですか?」

 …………凄い話を盛っているけど、悪くはないか。

「ふむ。悪くないな。それでいくか」

「その最終決戦に参加した身としては、凄い話を盛っているけど良いんじゃねぇ」

「悪くはないな」

 西園寺君達が賛同しちゃった。

 僕は龍月さんを見ると、何とも言えない顔をして頷くか頷かないか迷っていた。

 まぁ、少し考えた方が良いかもしれないな。

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