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第98話 何があったんだろう?

 一度使っている部屋に戻り準備を整える。

 そうしていると、船が着陸の為に降下した。

 やがて、地面に着地して少し揺れた。

「地上に着いたし、後はバレない様に出て行けば良いな」

 準備を終えると地上に降りる為の搬入口へと向かった。

 マイちゃんの事だから、此処で待っていればいいだろう。

 流石にユエと僕とマイちゃんだけという事はしないだろう。他にも何人か声を掛ける筈だ。

 誰にも見つからない様に物陰に隠れながら、待つ事少し。

「本当に此処に居るのか?」

「ちゃんと付いて来るって言っていたから、此処に居ると思う」

 ユエとマイちゃんの話し声が聞こえて来た。

 物陰から出て当たりを見ると。

「ああ、居た居た」

「そんな所に隠れていたのか」

 マイちゃん達は直ぐに僕を見つけた。

「あの、リウイ君も連れて行くのですか?」

「大丈夫かよ?」

「死にたくないんだけど……」

「…………」

 誰を連れて行くのかと思ったが、竜人君達を連れて行くのか。

 四人共、僕を見るなり顔を引きつらせていた。

 何でそんな顔をするのだろう? 僕は何もしてないんだけどな~。

「すいません。昔の城塞ってどんな所なのか気になったので付いて行かせてもらう事にしたんです」

「そ、そうですか……ところで、姉君の誰かは付いて来るのでしょうか?」

「姉さん達? いや、誰も付いてきませんけど」

「あ、そうですか……」

 竜人君が安堵の息を漏らした。

 他の三人も同様な息を漏らしていた。

 はて? イザドラ姉上は怖い目にあったとかで苦手にしているのは分かる。

 他の姉さん達は何かしたの?

 其処の所知らないな。

 ユエに手招きした。

「どうかしたのか?」

「いや、竜人君達がどうして姉さん達を怖がっているのか分からなくて」

「……ふむ。まぁ、あれだ。人の親切が必ずしも為になるとは限らないという典型的なやつだ」

「はぁ?」

 何じゃ、そら?

「意味が分からないのだけど?」

「そうだな。帰ったら、お前の姉さん達に聞いたら良いだろう」

 そう言ってポンポンと僕の頭を叩くユエ。

 何か凄く気になるんだけど。まぁ、帰ったら聞くとしよう。

「じゃあ、行きましょうか」

 そう言ってマイちゃんは僕の手を繋いで歩き出した。

「ふっ、そうしていると仲の良い姉と弟の様だな」

 ユエが微笑ましそうに言うが、マイちゃんはニッと笑った。

「羨ましい?」

「さてな……」

 ユエは肩を竦めた。

 マイちゃんと並んで歩くと他の人達がその後に続いた。

 外に出ようとした所で。

「あれ~、リウ。どっかに行くの?」

 ミリア姉ちゃんが僕達に声を掛けて来た。

 口に干し肉を咥えているので、食糧庫からかっぱらって来たようだ。

「……ああ、ミリア姉ちゃん」

 やばいと思ったが、先程の話の場に居なかったから大丈夫だろう。

「ああ、うん。少し先に古い城塞があるからどんなのか見てみようと思って」

「ふ~ん。そうなんだ。じゃあ、お土産よろしくね~」

 そう言ってミリア姉ちゃんは手を振って何処かに行った。

 ふぅ~。良かった。

 下手したら付いて来るかも知れなかったが、今はそんな事よりも食欲の方が先だったから聞き流してくれたようだ。

「……危なかった。これで下手な事を言ったら付いて来ると言う所だった」

 息を漏らした僕。

「じゃあ、行こう、か……?」

 僕が竜人君達の方を見ると、頭を抱えながら怯えていた。

「いやだ、いやだいやだいやだいやだいやだいやだ」

「死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。死にたくない」

「死ぬのは嫌、死ぬのは嫌、死ぬのは嫌、死ぬのは嫌……」

「~~~~~………………」

 何があったんだろう?

 凄く気になって来た。

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