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第89話 餌付けしてみるか

 リリムが魔法でユンケルとかいう液体をある程度の大きさの一塊に纏めて空中に浮かばせた。

 そして、それをMRー001の口元に持って来た。

「Guuuuu」

 MRー001はユンケルを口元に来ても飲む事はしなかった。

 ただ、注意深く観ていた。

 どうやら、何か毒か何か入っていないか警戒しているのだろう。

 困ったな。僕はアイゼンブルート族が活動する為の燃料だという事だから、どう考えても人がのめる物ではない。

 そう考えていると、リリムが面倒になったのか、ユンケルを空中で固定させたまま、両手でMRー001の口を無理矢理こじ開けだした。

「こちらを探ろうとか、蜥蜴風情で生意気なこのまま二度と口を閉ざさない様にしてやろうかしら」

 凄い物騒な事を呟きながら力を込めて口を開けさせる。

「GAAAAAA」

 MRー001も抵抗するかのように口を閉ざそうとする。

「ぬうう、生意気なっ」

 リリムは更に力を込める。

 MRー001とリリムが鬩ぎあっていた。

「何をしているの?」

「リウイ様。この蜥蜴が生意気なので、少々調教を、しおうと……」

「しなくていいから。はい止める」

「ですが」

「止・め・る」

 僕が強く言うと、リリムはMRー001の口から手を離した。

「はい。リリム。そのユンケルはそのまま置いておいて行くよ」

「行くって、何処に行くのですか?」

「良いから」

 僕がリリムの腕を引っ張るとMRー001からかなり距離を取った。

「「あっ、ずるいっ」」

 マイちゃん達がそう言うと、慌てて僕達の間に入り込み僕とリリムの手を無理矢理離した。

 リリムはムッとした顔をして二人を睨んだ。

 マイちゃん達は睨み返した。

「三人共、こっちこっち」

 面倒なので僕は一足先に岩陰に隠れて、三人をこちらに来るように促した。

 三人は睨み合っていたが、僕がそう言うとこちらに来た。

「リウイ様、岩陰に隠れるのは何故ですか?」

「おわっ、吃驚したっ」

 何時の間にかアリアンが居たので驚いた。

「ま、まぁ、見ていたら分かるよ」

 僕がそう言うとアリアンはとりあえず言われた通りにする事にした。

 三人は岩陰に来ると、僕の傍に来た。

 だが、その場所取りに揉めだした。

 無視しよう。無視。

「……ああ、動いた」

 僕が岩陰に隠れてMRー001を見ていると、MRー001が身体を動かして空中に浮いているユンケルに口を突っ込んだ。

 飲んでいるのだろうか、浮いているユンケルは減った様子が無い。

「リリム。どれだけ持って来たの?」

 僕がそう尋ねるとリリムはマイちゃん達と揉めるのを止めて直ぐに答えた。

「そうですね。魔法で少し圧縮しましたので、左程多くない様に見えますが二tぐらいはありますよ」

「そんなにっ⁉」

 改めてユンケルが湧いている泉を見たが、枯れている様子はなかった。

 どれだけあるんだ?

「で、リウイ様。これからどうするのですか?」

「そうだな。徐々にあのユンケルを動かして、僕達の所に誘導して」

「はい。分かりました」

 そんな事をして、何になるのか分からないがとりあえず僕の言葉に従うリリム。

 少しづつユンケルは僕達の方へと移動し始めた。

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