表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
688/756

第82話 出立

「お早い御帰りをお待ちしております」

「そっちは任せたよ」

「はい。お任せを」

 ソフィーに見送られ僕達は空中戦艦『双龍帝皇』に乗り込んで僕達は『廃都』へと向かう。

 グングンっと上昇していく戦艦の窓から下を見た。

 直ぐにソフィー達が見えなくなった。

 ソフィーの傍に居るティナが戦艦に向かって何事か叫びながら跳ねていた。

 何を叫んでいるのやら。

「元気ね~」

「まぁ、ティナらしいじゃん」

 僕と同じように窓から下を見ていたフェル姉とミリア姉ちゃんが跳ねているティナを見て笑っていた。

 戻って来たら、何か言われそうな気がするが。まぁ、良いか。

「そう言えば。フェル姉。他の姉さん達はどうしたの?」

「ヘルミーネなら兵達が居る所で船に関する事の注意事項を説明しているわ。イザドラ姉さんならブリッジでこれからの進路を決めているでしょうね。ロゼ姉さんは……多分、寝ているわ」

「ロゼ姉は本当によく寝ているね~。もう大きくならないのに」

「ははは、確かに」

 ミリア姉ちゃんが笑いながら言うので、僕も笑いながら同意した。

「……ほぅ、それは妾が小さいと言いたいのか?」

 ゾッとする程に冷たい声が後ろから聞こえて来た。

 その声を聞いた瞬間、ビクっと身体を震わせた。

 振り返れば確実に怒られるのは分かるのだけど、このまま振り返らなければ余計に怒りを買う事が分かっているので僕達は振り返った。

 予想通り、振り返った先にはロゼ姉様が居た。

「「「すいませんでした‼」」」

 僕達は揃って頭を下げた。

「まったく。妾が居ないからと言って、好き勝手に言いおって」

 プンスカと怒るロゼ姉様。

 説教をしようと口を開こうとしたら。

「ああ、ロゼちゃん。みっけっ」

 マイちゃんの声が聞こえて来た。

 と同時にロゼ姉様に抱き付いた。

「んん~、この腕の中に収まる身長にプニプニの肌。可愛い~」

 ロゼ姉様に抱きついて頬ずりするマイちゃん。

 マイちゃんの行動に助かったと思った。

「これ、お主、放さぬかっ」

「ええ~、良いじゃん。別にロゼちゃんっ」

「妾をちゃん付けして呼ぶ出ないわっ。これ、放せ、は~な~せ~」

 ロゼ姉様はマイちゃんの手の中から逃れようともがくが抜け出せてはいない。

「やれやれ。ああ、そうだ。マイちゃん」

「なに? リっ君」

 この場には僕達しか居ないから、気軽に返答するマイちゃん。

「竜人君達はどうしているの?」

「別室で待機しているわ。セナとユエはそこら辺ぶらついているわ。椎名は……どっか居るでしょう」

 嫌いなのは分かるけど、其処まで無関心か。

「これから暫くは一緒に行動するのだから、少しは仲良くしようよ」

「……考えとく」

 僕が苦言を呈すと、マイちゃんは少し考えてから答えた。

 これは無理だなと思ったので、そこら辺は僕が間に入って取り持つしかないな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ