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第74話 幼馴染の対決

 マイちゃんの対策という名目で集められたのだけど、何故か話しているのは姉上とリリムの二人だった。

 僕とリッシュモンドは二人の話に入る事が出来ず、ただ茶を飲みながら話が終わるのを待った。

 どれくらい時間が経ったか分からないが、二人の話が終わった。

「という訳で、この方法が良いと思います」

「成程。それは良いですね。では、それでいきましょうか」

「こちらの方はわたしにお任せを」

「頼みましたよ」

「話は終わった?」

 僕がそう訊ねると二人はニコリと笑う。

「ええ。十分に」

「話は終わったので、リウイ。部屋に戻りましょうか」

 姉上が近づいて来るの見て僕は離れた。

「じゃあ、僕は用事が有るので」

 と言って一目散に逃げだした。

 部屋を出る時に姉上が何か言っていたが聞こえないフリをした。


 部屋を出て姉上に見つからない様に適当に歩き回ったが、そろそろ良いと思い足を止める。

 周りを見て姉上が居ない事を確認する。

 ・・・・・・うん。居ないな。

 今日は仕事もないし何処かに出掛けるか。そう思っていると。

「あっ、リッ君だ。お~いっ」

 この声はマイちゃんだ。

 声をした方を向くと手を振りながらこっちに来た。

「何しているの?」

「ちょっとハイドアンドシークてきなもの」

「? 一人で?」

「まぁ、そんな感じで」

「じゃあ、暇でしょう。どう、これから」

「リウイっ」

 マイちゃんが話を続けようとしたら、誰かに声を掛けられた。

 誰だ⁉ もしかして姉上か?

 そう思いながら首を動かしていると、マイちゃんの後方からティナが居た。

「ティナ。どうしたの?」

「今日の仕事は終わったから、これから買い物に行くのだけど何か買う物ある?」

「う~ん。御菓子ぐらいかな?」

「どんな菓子?」

「何でも良いよ」

「そう言って何か買ってきたら文句付けるでしょう。あんたは」

「そうだっけ?」

 ティナのチョイスがどうも僕好みではないのもあるのだろうと思うけど。

「という訳で買い物に付き合いなさい。荷物持ちで欲しいし」

「いや、誰か別の人でも」

「いいから、早く着いて来るっ」

 ティナが僕の手を取って引っ張ろうとしたら。

「ちょっと待った。わたしはこれからリウイ君と話があるから買い物はまた今度ね」

 そう言ってマイちゃんが反対側の僕の手を取る。

「はぁ? 何でリウイがあんたの言葉に従わないといけないのよ?」

「そんなのこっちが先に話しかけたからに決まっているでしょう」

「知らないわよ」

「それを言うのなら、こっちもそっちの買い物なんか知らないよ。こっちは大事な話があるんだから」

「わ、わたしだって、リウイとの買い物は大事なのっ」

「わたしが先っ」

「わたしよっ」

 二人は大岡裁きの様に僕を手を取り引っ張る。

 これはどうしたら良いのだろうか。

 ティナは現世の僕の幼馴染。マイちゃんは前世の僕の幼馴染。

 どちらを選ぶべきだろう。

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― 新着の感想 ―
[一言] (๑╹ω╹๑ )引きちぎれると言う悲劇がおkoらないといいのですが
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