第68話 その頃、副都では
ゾワッ。
何故か突然、肌が粟立った。
「何だ? この感じは?」
前にも感じた事があるような感覚だけど。何処で感じたのかは思い出せなかった。
というよりも、思い出したくないというのが正しいのかも知れない。
今は休憩中なので誰も周りには居ないのは幸いであった。
誰かに見られていたら心配されるだろうから。
それは良いとして。問題はどうして肌が粟立ったのかだ。
何かが起こったのだろうが。それが何なのか分からかった。
もどかしいと思うが分からないのだからどうしょうもない。
悶々とした気持ちだが、そろそろ仕事に戻らないと駄目だと思い休憩室から出て仕事をする部屋へと向かった。
部屋に着くなり机の上に置かれている書類の山を片付けていると、ドアがノックされた。
今日は来客の予定は無かったのだが?
「誰?」
『ソフィーです。リウイ様にお伝えしたい事があって参りました』
「どうぞ」
入室を許可するとソフィーは入るなり一礼する。
その際、胸がブルンっと揺れるが思わず見入りそうであったが咳払いして誤魔化す。
「どうかしたの?」
「はい。先程『鳳凰商会』から手紙が届きました」
「手紙?」
さて、何が書かれているのやら。
そう思いながら僕はソフィーの手にある手紙を受け取った。
封を破り中身を見ると。
『親愛なるリウイへ。
マイにお前の秘密を話した。
すると、マイもお前の『廃都』に行くのを付いて行くと言うのだ。
わたしは一応止めたのだが、お前も知っての通りマイは頑固だからな聞いてくれない。
マイがその事と色々な事で話がしたいとの事で、近々わたし達と一緒に行くそうだ。
追伸。
秘密を話した訳はあれだ。
仲間外れは可哀そうだと思ったからだ
ユエ』
「はうっ⁉」
まさか、このタイミングでばらす⁉
そうか。肌が粟立ったのはこれを予兆していたのか。
や、ヤバイ。
色々な意味でヤバイ。
マイちゃんに僕の秘密を話すのは、まぁ良い。いずれは話す予定だから良いとしよう。
椎名さんとリリムが居るけど、この二人は僕が強く言えば従うだろう。
しかしだ。問題があった。それは。
「リウ~。暇だから、何処かに遊びに行っても良い~」
「ウ~ちゃん。買い物したいから付き合って頂戴」
「リウイ。何かする事ないか?」
「リィン。退屈じゃから相手をせよ」
「・・・・・・暇だ」
そう。今、僕の姉さん達が勢ぞろいしているのだ。
何で居るのかと言うと、王国の平定がほぼ終わって暇になったからだ。
この中にマイちゃん達を入れたら、核爆発くらいな騒動になりそうだな。
姉さん達が帰って貰った時に来てもらおうかな。
いや、この話を聞いたら。
『リウイのお姉ちゃん達か~、どんな人か会ってみたいな~』
とか言い出しそうだ。
う~ん。何事も起こらないよな。




