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閑話 公都にて

 今回は西園寺竜人視点です

 副都を空中戦艦に乗って数日。

 ようやく、ターバクソン大公国の都通称『公都』が見えて来た。

 空から見上げると、テレビでしか見た事が無い中世の街並みが見えて来た。

 副都に比べると、こちらの方が建物が古い外観であった。

「この都はまだ公国が出来る前にあった都市を改築して作られたから、超が幾つも付くくらい年月が経っているから建物が古いんだよ」

 そう教えてくれるのは父西園寺颯真のクラスメートである村松瀬奈さんだ。

 今はこちらの世界風の名前を名乗っている。

 紛らわしいので村松さんと僕は呼んでいる。

「成程。あの、此処に真田舞華さんが居るのですか?」

「そうだね。サナダッチは今、わたしが所属している独立愚連遊撃傭兵騎士団『アヴァロン・オルドル』の団長をしているから」

 う~ん。何と言うか凄い厨二病くさい名前の騎士団だ。

 ぶっちゃけ、騎士団なのか傭兵なのか分からないな。どちらかにして欲しいと思う。

「へえ、その団長の真田さん?ってどんな人なんですか?」

 傍に居る友人の黒川が訊ねて来た。

 ちょっと気になったていたので、丁度良かった。

 前に父に真田さんはどういう人なのか聞くと。

『頭は悪くないんだが、自分のしている事が裏目になる事も分からないで行動して後で後悔するという馬鹿な所がある奴だ』

 と言っていた。

 父はそう言っていたが、友人の村松さんはどんな事を言うのか気になった。

「ああ~、あれだね。猪突猛進な乙女だね。うん。何事も思い立ったら行動あるのみみたいな所があったから。騎士団設立の時はディアネンは大変そうだったな~」

 遠い目をしながら言う村松さん。

 その話が聞こえたのか、近くに居たディアーネさんが口を挟む。

「お前が言えた口か? あの時の苦労の約三分の一はお前とマイがしでかした事だろうがっ」

「ええ~、そうだっけ?」

 テヘペロと言わんばかりに舌を出す村松さん。

 そんな村松さんを見て、眉間に皺を寄せるディアーネさん。

 この数日、行動を共にしたお蔭でこのディアーネという人の事が分かった。

 どうも、父の知り合いである様で元の世界で父は何をしているのか聞いてきた。

 父の知り合いですかと訊ねると。

『・・・・・・帰ったら父親に聞け』

 とだけ言って何も教えてくれなかった。

 村松さんに聞いても教えてくれなかった。

 もしかして、父と男女の仲だったのかと一瞬思ったが、直ぐに違うと理解した。

 だって、あのリウイさんのと話している所を見たが本当に楽しそうに話している顔をしていた。

 恐らく正太郎コンプレックス略してショタコンだろう。

 じゃないと、あんなに楽しそうな笑顔を浮かべないからな。うん。

「さて、そろそろ着くな」

「だね。ああ、そうそう竜人君」

「はい。何ですか?」

「これを渡しておくね」

 そう言って村松さんが渡したのは何かの地図であった。広げて見ると、これはどうやら公都の案内図のようだ。

「それを持って観光したら良いよ」

「観光ですか。でも、僕達は初代公王の墓に行きたいのですが」

「『公都で石を投げれば、何処でも初代の話を聞ける』」

「何ですか? それ?」

「公国に古くからある諺よ。公都に行ったら何処でも初代公王のに関する話を聞けるという事よ」

「そうなんですか」

「だから、初代公王の墓に行く前にそこら辺その案内図を見て遊んだら良いわ。はい。これ遊ぶ金」

 そう言って、村松さんは革袋四つ渡してくれた。

 一つの袋の口を開けると、金貨が沢山入っていた。

「わたしとディアネンはサナダッチと話があるから、貴方達は明日まで自由行動していいわ。それと、貴方達が止まる宿はもう決まっているから。『マンティコアの居眠り亭』という宿よ。部屋ももうとってあるから、疲れたり休みたくなったらその宿に行きなさいね」

「・・・・・・分かりました」

 村松さんにそう言われたので、僕達は公都に着いたら自由行動する事になった。

 せめて、初めて来る所だから護衛に誰かつけて欲しいと思うが、まぁ大丈夫か。

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― 新着の感想 ―
[一言] ぶっちゃけ何がしたいんだろうって話ばかり。
2019/11/10 12:09 退会済み
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