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第57話 力業できたか、まぁ特に問題ないからいいけど

 村松さんが言う通りに、僕達は副都から少し離れた所に着陸した。

 その際、副都の上を通り過ぎたのでこの船の存在は知れ渡っているだろう。

 さて、此処からどうするのやら。

 

 そんな思いで外に出た。

 何も無いのでが逆に怖いな。姉上達は特に気にする事は無いかの、外に出る前ラウンジで呑気に茶を飲んでいた。竜人君達は挙動不審と言えるくらいにオドオドしていた。

 これが普通だよな。あの人達がおかしいのだと思う事にした。

 とは言え、お蔭で外に出ているのは僕と村松さんだけだ。傍に誰も居ないので村松さんに話しかける事が出来る。

「そう言えば、村松さん」

「なに?」

「僕達船で来たよね?」

「そうだけど?」

「『八獣』のテリトリーに入らなかったの?」

 前世の僕が飼っていたペット達が大きくなり、公国の国境付近をテリトリーにしていると聞いている。しかし、今回船で来たが攻撃される気配はなかった。

「わたし達、丁度そのテリトリーの上を通ったんだよ。ケルベロスのケロちゃんの」

 ああ、成程ね。

 ケルベロスは三つ首の犬だから翼を持ってないから攻撃しなかったのか。

 ちなみに、他に翼を持っていないのはベヒモスだけだ。後は皆翼を持っている。

「しかしケロちゃんか。何か、昔見ていたアニメを思い出すな」

 あのアニメに出て来るのも確か、ケルベロスだったな。

 まぁ、関西弁で話さないし翼も持ってないけどね。

「でもさ、リウイ君のペットって皆、凶暴というか大人しい子少ないよね。良く飼い馴らせたね」

 そう言われてもな。

 皆、傷ついていたから餌付けと手当てをしたら懐いたか、親が死んで小さかったから育てただけなんだけどね。

「運が良かったと言うべきかな?」

「いや、そういうレベルじゃないから。運が良いからってアジ・ダハ―カの子供を育てるとか普通に考えても有り得ないから」

「そう言えば、そのチビは大きくなったの?」

 飼っていた時は他のペット達に比べると小さくて踏み潰されないか心配だった。

 小さからチビと名付けたんだけどね。

「もう、この船ぐらいかもしくは大きく育っているから」

 村松さんが両手をオーバーと言えるぐらいに動かして育った事を教えてくれた。

「そっか。他に皆はヴァイドやスリーピズとかは?」

 グリフォンの名前はヴァイドでスリーピズはマンティコアだ。

 他のベヒモスはグラリードで、ガルダはヴァハナだ。ちなみにケルベロスだけは村松さんが命名されてケロちゃんになった。本人?も気に入ったのか、そう呼ぶと直ぐにやって来る。

「リウイ君って、ネーミングセンスがイマイチだよね」

「ほっといてくれるっ」

 まさか、転生してこの世界で生活するとは誰も予想できないだろう。

 正直に言って、もっとカッコいい名前を付けてれば良かったと今でも思うよ。

 スリーピズは一日中殆ど寝ているから付けただけだし、グラリードはベヒモスは貪欲を司っているのだから、暴食と強欲を混ぜた様な名前にしただけだし、ヴァハナは単に名前を短くしただけですよ。

「ははは、あっ、来たっぽい」

 何がと思い、村松さんが向いている方に顔を向けると、其処には何か綺麗な服を着た偉そうな人が走って来た。

「ええっと、だれ?」

「副都で一番偉い人」

 村松さんがそう話していると、その偉い人が村松さんの前まで来た。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・・ぞ、ぞでぃあすきょう。ごきげん、うるわしゅう」

「御機嫌よう。都長さん」

 とちょう? う~ん。言葉から察するに副都の長をしている人なのだろう。多分。

 ああ、だから『副都で一番偉い人』か納得。

「あ、あの、すこしまえにれんらくをもらいましたが、このふねが?」

 都長さんが息切れを起こしながら訊ねて来た。

「そう。我が独立愚連遊撃騎士団『アヴァロン・オルドル』がハノヴァンザ王国の戦で鹵獲した戦艦『双龍帝皇』である」

「こ、このふねが・・・・・・」

 都長さんは船を見上げて言葉を失っている。

 一緒に付いてきた人達も同様だ。

「であるから、この船に関しては我ら『アヴァロン・オルドル』が管理する」

「ほ、ほんとうに大丈夫なのですか? この船で我らが副都に攻め込んで来るという事はしないのですか?」

「・・・・・・それは、我らに対する侮辱と取るが?」

 村松さんは明らかに不快な表情をする。

 言った人も、やばいと言う顔をした。

「我が騎士団は設立当時から、この国が国いえる前から守護して来た。その我らが攻め込む? 冗談もほどほどにしてもらいたい。もし、その様な気持ちがあるというのであれば致したがない。わたしは公都に戻り、我らが騎士団長にこの事を報告し即刻、この公国から出国させて頂こうっ」

「ああ、大変申し訳ありません。どうか、平に平にご容赦くださりませ‼」

 そう言って都長さん達がその場で土下座して許しを乞いだした。

 それを見て、意地悪そうな笑みを浮かべる村松さん。

 失言とは言え、あまり苛めては可哀そうだよ。

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