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第50話 帰るか

 手紙を貰ったので帰らないとな。

 じゃないと、王国がゴジラの襲来を受けたかのような焦土に成り果てているかもしれない。

 そう思うと早く戻らないと。

 姉上に装置の設置はどれくらい掛かるか聞かないとな。

「リウイ様。此処に『門』の装置を設置するのですから、そのまま帰れば良いのでは?」

「いや、ラミティーナさんとか置いて行くのは不味いだろう」

 母さんやお祖父さんの方は、ほっとけばいいだろう。

 係わると碌なことにならないのが目に浮かぶ。

「ああ、それで思い出した。村松さんの事を忘れていた」

 此処に来る途中、十二氏族の居留地に行ったので帰る時に合流しないとな。

「今の内に合流するか」

「それが良いと思います。ついでに、そのままラミティーナも連れていく方が手っ取り早いと思います」

「ふむ。それが良いか」

 そうと決めたら、村松さんの下に向かうか。


 姉上に一言言って、僕達は十二氏族の居留地へと向かった。

 それほど時間が立たない内に戻って来るので、プリアは置いて来た。

 プリアは駄々を捏ねる事なく見送ってくれた。

 その場にケニギンも居たので、ついでとばかりにパンツァーゼーリエを数機借りた。

 パンツァーゼーリエに乗って居留地へと向かっていると、

『警告。前方ヨリ集団ガコチラ二向カッテイルモヨウ』

「集団?」

 何でそんなものが上がっているんだと思いながらハッチを開けて外を見る。

 すると、前方に集団が進んでいるのが見えた。

 数はざっと見た所、五~六百ぐらいだ。

 さほど多くはないが少なくもない数だ。何処に行くつもりだと思い、その集団はこちらに向かっているので、このまま進めば程なく接触する。

 その時に何の為に集まって行動しているのか訊ねる事にしよう。

 程なくその集団の先頭が僕達の所まで来た。

 近くで見ると、どうやらこの集団は十二氏族の者達であった。

 何が目的で進んでいるんだと思い、とりあえず訊ねようとしたら。

「あっ、リウイ君だ。丁度いい所に来た。ちょっと話がしたいから退けてくれる」

 誰かがそう言うと、集団が道を作るかのように別れた。

 その道の先に居たのは村松さんとラミティーナさんだった。

 二人が出来た道を歩き、僕の所まで来た。

「この人達はどうしたの?」

 何の目的で集めたのか気になり、村松さんに訊ねた。

「ああ、この人達。簡単に言えば傭兵になりたい人達だね」

「傭兵に?」

「うん。何か十二氏族の村を回っていると、ちょっかい掛けて来る人達を軽く捻ったんだ。そうしたら、十二氏族の族長で長老の何かとって人がやって来て、わたしが何者なのか訊ねてきたんだ。それで、わたしが傭兵だって話すと『魔国との争いが無くなった事で人口が爆発的に増えたので、済まぬが血の気の多い者達を其方の傭兵部隊に雇ってくれぬか?』って頼まれたんだ」

「それで引き連れていると?」

 村松さんは頷いた。

 う~ん。これだけの数を傭兵隊に受け入れるとしたら大変だと思うけど。

「大丈夫なの?」

「問題なし。寧ろ、大歓迎だし」

 任せろと言わんばかりに胸を叩く村松さん。

「そう、じゃあ良いけど」

 村松さんがそう言うのなら大丈夫か。

 要領良いから大丈夫だろう。

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