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第49話 もう少し居たかったんだけどな

 姉上を連れて、僕達はケニギンの下に向かう。

 何処に『門』の魔法の装置を設置するか話し合う為だ。

 少し話し合った後。何処に設置するかを決めた。

 後は姉上が装置を設置するだけだな。

「ああ、そうそう。リウイ」

「なに?」

「ロゼ姉様から貴方宛てに手紙が届きましたよ」

「へぇ、そうなんだ」

 姉様が手紙ね。何か伝えたい事でもあったのかな。

 姉上から手紙を受け取る。

 封に入っていて重いな。何枚書いたんだ?

「中身のチェックはした?」

「姉が弟に出した手紙をチェックする訳ないでしょう」

 それもそうか。

 てっきり、姉上の事だからチェックするかなと思っていたが違ったか。

「じゃあ、わたしは装置の設置に取り掛かります。その間、貴方達は好きにしていなさい」

「は~い」

 そう返事をして、僕達はその場を離れて行った。


 姉上の下を離れたので、受け取った手紙を見る事にした。

 何処か適当な部屋に入ろうとしたらプリアが袖を引っ張った。

 そちらに顔を向けると、ある部屋を指差していた。

 其処はさっきまで遊んでいた玩具を置いてある部屋だった。

 其処なら座って読む事をが出来るから丁度良いと思い、その部屋に入る事にした。

「さぁ、プリア。わたし達はリウイ様の手紙を読むのを邪魔しないように遊びましょうか」

「・・・・・・・」

 リリムとプリアは先程までしていたおはじきをしだした。

 二人が遊んでいるのを横目で見ながら、僕は手紙の封を切った。

 さて、何と書かれているのやら。


『 リウイへ。

  我が親愛なる賢弟よ。息災であるか。

  お主の事だから久しぶりに領地に戻れた事を喜んでおるじゃろうな。

  まぁ、それは良いのじゃが。一つ問題が起きた。

  詳細については二枚目を見る様に。

                  ロゼティータ』


 姉様にしたら随分と短い手紙だなと思いつつ、二枚目に目を通した。


『リウイ殿へ。


 この手紙を読んでいるという事は無事にお前の下に辿り着いたのだと判断する。

 わたし達を置いて、村松と一緒に帰郷するとはいい度胸と言えるだろう。

 その事については後日、場を設けて話し合うとして問題が起こった。

 お前でないと解決が出来ない事が。

 お前が椎名を置いて行った所為で、椎名が今にも国を滅ぼしそうな位に気が立っている。

 早く帰って、愛の言葉でも関白宣言でも何でもしても良いから、椎名を大人しくさせろ。

 

 追伸。


 無論、椎名に囁いた言葉よりも素晴らしい言葉をわたしに言うのだろう?

 でなければ、不公平だからな。

 もし、言わないと言うのであれば、こちらも何をするか分からないとだけ言っておこう。

 早い帰りを期待している。

                                       ユエ』


 手紙を最後まで読んで背もたれにもたれて溜め息を吐いた。

 もう少しリフレッシュしたかったんだけどな。

 でも、早く戻らないと国が滅んでいるみたいな事になったら目も当てられないからな。

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