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第48話 来るの速すぎない?

 翌日。


 プリアの遊びに付き合っていた。

 アイゼンブルート族だから、どんな遊びをするのかと思ったらおはじきだった。

 何か昔の子供の遊び方だなと思いつつ遊んでみた。

「・・・・・・」

 プリアは置いたガラスのように透明な平たい玉を色々な角度から見てから弾いている。

 これはどの角度でどれだけの力を入れて弾けば良いのか計算しているんだな。

 そう考えてみると、おはじきって意外に頭を使う遊びなのか?

 でも、僕がしていた時は其処まで考えて遊んではいなかったけどな。

 リリムはプリアと一緒に楽しんでいた。

 初めてする遊びだからか、最初は興味深そうに見ていた。

 やっていく内にどんな遊びなのか分かり、プリアと一緒になって遊びだした。

「・・・・・・えい」

 楽しそうにはじきを飛ばして遊んでいる。

 僕はどんな遊びなのか知っているので、懐かしいと思いながら遊んでいると。

『リウイ様。オ客様ガ参リマシタ。間モナク到着シマス。入リ口デオ待チシタ方ガ良イト思イマス』

 何かアナウンスが聞こえて来た。

 僕の名指しで呼ぶという事は僕が此処に来るように呼んだ人という事になる。

 此処に来るように呼んだ人は一人しか居ない。

「じゃあ、ちょっと行って来るね」

「お供します」

「・・・・・・」

 僕が部屋を出ようとしたら、リリムも付いて来るという。プリアも付いて来たそうな感じがしていたので、一緒に行く事にした。


 アナウンスを聞いて、僕達は『ティーガー()()シャンツエ()』の外に出た。

 そうして待っていると、僕の後ろに居るリリムがプリアに話し掛けていた。

「・・・・・・」

「ええっと、わたしも誰なのか確実だと言えないのですが、恐らくリウイ様のご家族だと思います」

「・・・・・・」

「そうですね。リウイ様は姉兄と両親会わせて十六人居ます。恐らくですが、此処に来るのは二番目の姉君であられるイザドラ様ですよ。多分」

 ・・・・・・何で会話が出来ているんだろう?

 プリアにはテレパシーみたいな能力があるのか? いや、それだったら僕と会話するの筈だ。

 もしかして、実は嫌われているとか? さっきまで仲良く遊んでいたんだけどな。

 う~ん。何故だ?

 バッサバッサ‼

 そんな音が聞こえると同時に影が差しこんできた。

 見上げると巨大な龍が居た。

 僕が手を振ると、その龍は翼をはためかせながら徐々に地面へと降りて来た。

 地面に着地すると少し揺れたが、何とか堪えた。

 そして、龍が光り出した。その光が止むと龍が居た場所には姉上ことイザドラが居た。

「呼ばれたので来ました」

「ようこそ、姉上」

 嬉しそうに微笑みながら傍に寄って来る姉上。

 そして、僕の後ろを見るとリリムの傍に居るプリアを見て不審な顔をする。

「・・・・・・この子は?」

 見た目が子供っぽいのでとりあえずそう尋ねたんだろうな。

「アイゼンブルート族のプリンツスエンアーヌルだよ。ケニギンアーヌルの娘だよ」

「ほぅ、娘ですか。初めまして、リウイの姉のイザドラと言います」

 姉上はしゃがんでプリアと視線を合わせる。

 プリアは答え代わりに頭を下げた。

「生まれたばかりだから喋れないんだって」

「成程。そうですか」

 言葉を話さないので変に思われない様にフォローすると、姉上はプリアの頭を撫でた。

 プリアは頭を撫でられて無表情ながら嬉しそうに頭を振っていた。

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