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第47話 父親ってこんなこんな感じなのかな

 プリアに連れられて何処かに向かう。

 何処に行くのか訊ねようも、まだ言葉が話せないとの事なので訊ねても答えられないだろう。

 なので、袖を掴まれたままプリアの後に付いていく。

 そうして歩いていると、向こうからリリムがやって来るのが見えた。

「リウイ様。何処に行かれるのですか? それにその子は?」

 何か凄い鬼気迫る顔を近づけて来るので、プリアが僕の後ろに隠れた。

 機械でも恐怖の感情とかあるのか?と思いつつリリムを宥める。

「落ち着いて。この子はプリンツスエンアーヌルって名前でケニギンの・・・・・・娘かな?」

 端末や分身体と言っても分かるわけないだろうし、とりあえず娘と言った方が分かりやすいか。

「娘ですか。という事は、ケニギンには夫が居るという事でしょうか?」

「ああ、多分居ないんじゃあないのかな」

 アイゼンブルート族は金属生命体みたいな感じだからな。

 工場で生産されているんじゃあないのかな。

「夫が居ない? では、アイゼンブルート族はどのように生まれるのですか?」

「さぁ、僕は知らないな」

 プリアに聞こうにも、まだ話せないからな。

「・・・・・・」

 そう思っているとプリアは裾を引っ張る。

 振り返ると、リリムを見る。

 ジッと見ているけど、どうかしたのか?

「・・・・・・ああ、そういう事。初めまして、わたしはリリム。リウイ様の無二の腹心です」

 ジッと見られている事から、名前を知りたいのだと察したリリムは胸を張りながら自己紹介しだした。無二の腹心ね。まぁ『十傑衆』に属していた者達は皆腹心みたいなものだから、別に良いのだけど。

「・・・・・・」

 プリアはリリムが自己紹介してくれたので、返礼を込めて頭を下げた。

「あら、ご丁寧にどうも。しかし、先程から喋らないのは何故かしら?」

「生まれたばかりだから、まだ話す事が出来ないんだって」

「成程。それで、リウイ様と共に何処に行くの?」

 リリムがそう尋ねると、プリアはボディーランゲージで何処に行くのか教えた。

 駄目だ。どう見ても何処に行きたいのか分からない。

「・・・・・・成程。あちらに行きたいのですね」

 って、リリムは良く分かったな。

「じゃあ、わたしも一緒に付いていっても良いかしら? ええっと、プリア?」

「・・・・・・(コクリ)」

 リリムが訊ねるとプリアは頷いた。

 この二人。相性が良いようだ。

「では、参りましょうか。リウイ様」

「ああ、うん」

 僕達はプリアに連れられて、何処かに向かう。

 それで向かったのは部屋であった。

 プリアが前に出ると自動ドアが開く。すると、リリムは後ろに跳んで腰を落とした。

「まだ、慣れないの?」

「すいません。どうも、扉は自動に開かないという概念を持っていますので」

 まぁ、此処に最初の時に比べるとマシかな。

 自動ドアを見るなり、得物を抜こうとしていたからな。

 僕は気にせず部屋に入る。

 その部屋は小さい機械が幾つもあった。小さいローターが幾つもついている事から、これはドローンの様だ。

 何の為にあるんだと思っていると、外に飛び立つ為の発射台からドローンが戻って来た。

 そのドローンは自分達が収まる所に入る。

 収まっている所にはケーブルが繋がっていた。ケーブルの先っぽが何かを差すかのようにコンセントになっていた。

 プリアはそのコンセント付きのケーブルを手に取り、自分の首の裏に差した。

「あれは、何をしているのでしょうか?」

「多分、あの小さな機械で見た物を自分でも見ているんだと思う?」

 恐らくなので、確実だとは言えない。

 ドローンが記憶している映像?を見ているプリアは手持無沙汰だからか、部屋の隅に置いてあるテーブルに行き、其処から紙を取った。

 その紙を手に取ったプリアは紙を見ていると、突然目が光りだした。

 何事だと思っている間に、プリアの目の部分の光が治まった。

 そして、プリアは僕の元まで来た。

「・・・・・・」

「うん? この紙が何か・・・って」

 プリアから渡された紙には、まるで写真で写したのか思われるぐらいの画が描かれていた。

 描かれているのは、この樹海の一部の画であった。

 これは光画という奴か。所謂、写真だ。

 しかし、こんな事も出来るのか。

「・・・・・・」

 プリアが僕をジッと見ている。

 これは何かして欲しいようだな。この場合。

「凄いね。こんな事も出来るんだ。プリアは」

「・・・・・・(コクコク)」

 僕がプリアの頭を撫でると、プリアは嬉しそうに頭を動かした。

 前世では子供に会う事なく死んだので、もし、子供が居て褒めるとこんな感じの反応をするんだろうなと思った。

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