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第45話 こういう事も出来るのか

「どうかしましたか?」

「いや、何か視線を感じて」

 アイゼンブルート族だからな、ステルス機能を持った奴が居て護衛としてこの場に居るという可能性もあるかも知れない。

「そうですか。先に謝りますね。御ふざけが過ぎましたね。出て来なさい」

 ケニギンがそう言うと、僕の直ぐ傍に何か小さい女の子みたいな存在が居た。

 パッチリした目で白一色の瞳。其処には瞳孔も何も無い。

 その瞳を見て水晶みたいな瞳だなと思ってしまった。

 顔立ちは人形みたいだな。文字通りの意味で。

 身長も十歳児の子供ぐらいしかない。

 女性をイメージしているのかスカート部分もある。

「この子は?」

「簡単に言いますと、わたしの端末です」

「たんまつ?」

 なんじゃそら?

「この子の目を介して見た物をわたしも見れて、どれだけ離れていてもわたしと通信できる事が出来る物です」

 成程。つまり分身体みたいなものか。

「試作されたばかりなので、まだまだデータ不足ですので、リウイ様」

「何か?」

「そちらの大陸に行く時に連れて行ってもらえないでしょうか」

「僕は構わないよ」

 丁度『廃都』に居ると言うアイゼンブルート族なのかどうか知りたいかった。

 この分身体を連れて行けば問題ないのだろう。

「で、この子の名前は?」

「プリンツスエンアーヌルです」

「う~ん。言いずらいな。プリアで良いんじゃない?」

「プリアですか。呼び方はお好きに」

「良し。じゃあ、君の名はプリアだ」

 僕がそのケニギンの分身体に名前を付けた。

 すると、プリアは頷いた。

「この子には自我はあるの?」

「昨日、ロールアウトしたばかりで自我と言える物はありません。人間で言う所の生まれたばかりの赤ん坊に近いですね。ですので、まだ喋れません」

「成程。でもこれって、将来的にはプリアは自我を持ちながらケニギンと意識を繋がっているという事になるのか」

「理論上ではそうなります」

 これって人間で言えば親に束縛される子供みたいなものだよな。

 まぁ、プリアが嫌がるという意思を持つかどうかは、まだ先の事だから分からないか。

 強く生きろよと思いながら、僕はプリアの頭を撫でる。

 其処からは僕がケニギンに此処まで来た理由について話した。

 ケニギンは快く承諾してくれた。

 ついでに、森に置かれたあの小さい電波塔の様なものを聞いた。

 あれは人の耳には聞こえないが魔物の耳には聞こえる不快な音を出す装置だそうだ。

 魔物にしか聞こえないので、人には害はないそうだ。

 今度、旅をする時に使えると思い、その電波塔を幾つか欲しいな。

 でも幾つあれば良いのか分からないので、此処は一度副都に帰って相談だな。

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