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第39話 久しぶりに戻ったその夜

 人馬族とパンツァーゼーリエに囲まれた状態で『カオンジ』へと向かっている最中で、僕はどうして僕が此処に来た事を知ったのか訊ねた。

「わたしも詳しくは要りませんが、其処に居るパンツァーゼーリエと同族の者で空中警戒している者がリウイ様を見つけたそうです。それを聞いた我らが出迎えに来たのです」

 空中警戒? 確かに空を飛べるのは居るけど。

 そんなに空を飛ぶ機種が沢山いるのか?

 そう言えば、アイゼンブルート族の総数ってどれくらい居るのか聞いていなかったな。

 訊ねるついでに訊いてみるか。

 ・・・・・・うん? ちょっと待て。僕は出迎えの人達が来るまで王宮で馬車に乗ってからは、この領地に着いた時は顔を出してないよ。

 此処に着くまで何度か休憩を取ったから、その時は馬車を出て休んだけど。『オウエ』に着いてからは馬車から出てないのにどうやって分かったんだ?

 気になるな。『カオンジ』に着いたら空中警戒している機種に訪ねてみよう。

 その後は何事も無く『カオンジ』に辿り着いた。

 門の前には出迎えの人達が待機していた。

 馬車を出た僕を見るなり、皆声を上げて喜んでくれた。

 そして、ようやく『カオンジ』の中にある僕が暮らしていた領主の館へと向かう。

 窓から町を見たが、少し発展したかなと思えるぐらい広くなった気がする。

 恐らく獣人族やアラクネや天人族が往来を歩いている事から、ここ『カオンジ』に暮らす人が増えて土地を広げたのだろう。

 僕が居る時よりも人の往来が増えた印象があった。

 これも十二氏族と和解が出来たお蔭だと思うと、嬉しく思った。

 そして領主の館に入ると、少し休むとこの都市を治めている市長が僕達を出向明ける宴を開いてくれたので参加した。

 酒を嗜まないので、ここ最近人気になっているこの土地で取れる茶を飲みながら僕に挨拶にくる人達の応対をしていた。

「あっははは、この酒美味しい~」

「はい。この酒は我が領地で取れた作物で作った酒でして、最近人気なのです」

 村松さんは相手が勧める酒を美味しそうに飲んでいた。

 酒を飲んだら駄目という年齢ではないから良いか。

「あら、美味しいですね。お土産に何本か貰っていきましょうか」

 ラミティーナさんが酒を飲みながら味が殊の外気に入ったのか土産に欲しいと言う。

 って、酒を飲んで良いのか。

「母さん」

「何だ。リウイ」

「良いの?」

 僕は近くで酒を飲んでいる母さんにラミティーナさんを指差しながら訊ねる。

「・・・・・・何か問題あるのか?」

 心底問題ないだろうという顔をしている母さん。

 う~ん。酒を水の様に飲む種族だから問題ないのか。

 半分その血が流れているとは言え、僕は飲まないけどね。

 そう言えばリリムは何処に居るんだ?

「そうなのですか。リウイ様はそんな事を」

「本当に手が掛かる子で、でもそこが可愛いんですよね。何ですかね、手が掛かる子ほど可愛いというのでしょうかね」

「分かります。リウイ様。今でも可愛いのですから、小さい頃でしたらもう無双の可愛さでしたんでしょうね」

「そう、そうなのですよ。あの頃のリウイはほんっっっっとうにかわいかったんですよっ」

 何か姉上とリリムが楽しく会話しながら酒を飲んでいる。

 何時の間にあの二人は仲良くなったんだ?

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