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第38話 何事も理想通りにはいかない

 人馬族の後方には戦車が駆けていた。

 戦車と言ってもチャリオットの方では無く、キャタピラの方の戦車だ。

 おいおい、何時の間にそんなのを作ったんだ?

 それとも、僕が会っていない機種か?

「ねぇ、リウイ君。あれって戦車だよね」

「そうだね。僕も始めて見るけど、多分アイゼンブルート族の機種だと思うよ」

「へぇ、戦車とかあるんだ。ねぇ、リウイ君」

 村松さんは何故かワクワクした様子で僕に話しかける。

「何かな?」

「あの戦車に乗ってあれを言ってみたいな~」

「あれ?」

 何を言いたいんだ?

「ほら、女の子が戦車の乗るアニメで有名な台詞。パンツァーフォーって」

「ああ、あれね」

 あのアニメ。結構面白かったな。

 しかし、転生して戦車に出会うとはな。

 ・・・・・・今度、あの戦車に乗って言ってみようかな。

 そう思っていると、人馬族と戦車が有る程度離れた所で停まった。

 あの戦車はなんだろうと思い人馬族の人に訪ねようとしたら、突然戦車から変な音が聞こえて来た。

 何事だと思いながら見ていると、何と戦車が変形しだした。

「お、おおお・・・・・・」

 まさか、変形するとは。

 砲塔の部分が上がり身体の部分が出て来た。

 両腕の部分はマニピュレーターでも腕ではなかった。

 その機種の両腕はマシンガンが取り付けられてた。

 顏の部分はゴーグルの形をしていた。

 何と、モノアイではないのか。残念だ。

「あれ? どうかしたの?」

「いや、何か何事も自分の希望通りにいかないんだと知ったという感じかな」

「う、うん。そうなんだ」

 とまぁ、ショックを受けている場合では無いな。

 とりあえず、話が出来そうな人馬族の人に話を聞く事にしようか。

 そう思い人馬族の人達で一番恰好が綺麗で偉そうな人に話しかける。

「あの」

 僕がそう声を掛けると人馬族の人達が膝を折り頭を下げた。

 これは確か人馬族なりの最敬礼だった筈。

「リウイ様でございますね。お迎えに参りました」

 うん? 姉上は出迎える様に指示を出したのか?

 姉上を見ると、そんな指示を出してないのか首を横に振った。

「お迎え? そんなの頼んだ覚えはないのだけど」

「領主が戻ったのですから、臣下が出迎えるのは当然の事です」

「僕はもうこの地の領主ではないよ」

「我らの氏族長を始め、この地に暮らす者達はそうは思ってはいません」

「それはありがとう」

 領主を辞めると言ったから大半の氏族長達には愛想つかされたと思っていたが違ったか。

 まぁ、今は『カオンジ』に行く方が先決だが、その前に。

「聞きたい事があるんだけど良いかな?」

「何なりと」

「その後ろにいる戦車みたいな物は?」

 僕が変形する戦車に指差しながら訊ねた。

「あれはアイゼンブルート族のパンツァーという種だそうです」

 あれがパンツァーか。名称だけは知っていたけど、どんな形状なのか知らなかったんだよな。

「他に何か有りますか? なければ、このまま『カオンジ』へと行きますが」

「ああ、それで良いよ」

 人馬族とアイゼンブルート族のパンツァーゼーリエ達と共に僕達は『カオンジ』へと向かった。

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