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第37話 久しぶりに戻って来た

 お祖父さんの接待?は父さんに任せて、僕達は『オウエ』へと向かう。

 流石の姉上も領地を行き来する為に『門』は配置してないので、馬車で向かう事になった。

 兄貴は暇なのか付いていくと言う。

 それで馬車に乗り『オウエ』に入った。

「おお、何か凄いな」

「本当ですね」

 同じ馬車に乗っている村松さんとラミティーナさんは窓から見える風景を見て感激していた。

 雄大な山脈が幾つも連なっている。

 正直に言って、僕が持っていた領地は山か琵琶湖並にデカい塩湖か樹海ぐらいしか観光できる所が無い。

 鉱物資源と塩ぐらいの産業しかないからな。国を出る前に何か目玉になる産業を考えておけば良かったなと思った。

 樹海で育っている果物や十二氏族の氏族同士の特産品を売り出していたが、売れているかな?

 そんな事を考えていると不安になってきた。

「リウイ。そろそろ『カオンジ』に到着しますよ」

 僕の隣に座っている姉上が地図を見ながら教えてくれた。

「ありがとう。僕が居ない間、領地はどうだった?」

「自治領にした事で特に問題ないですね。ただ」

「ただ?」

「一部の氏族長が役人に『領主様は御帰還するのか?』と訊ねてきたそうです」

 う~ん。誰だろう?

「名前は分かる?」

「すいません、其処までは、まぁ『カオンジ』に行けば分かるでしょう」

「そうだね。ありがとう」

 候補としてはボルフォレかネメアさん辺りかな?

 領地に行くのだったらリュウショも連れて来ればよかったな。

 久しぶりに顔を合わせられるのだから。

 そう考えていると、突然馬車が停まりだした。

 何事だと思いなが御者に訊ねた。

「どうかしたの?」

「前方から砂塵が上がっております」

 御者がそう言うので、窓から顔を出して前方を見た。

 うん。確かに砂煙が上がっている。

「出迎えかな?」

「どうでしょう。此処に来る事は先触れも出していません。かと言って、この領地に山賊や盗賊が出没しているという話は聞きませんよ」

「聞かないの?」

 僕が領主だった時は十二氏族の関係が悪化しているのに目を付けて、近くの山に潜んで近くの村に襲撃する山賊が初夏に出て来るやぶ蚊の様に湧き出てきたのだがな。

 山が多かったから隠れるのも逃げるのも容易だった事で中々全員捕縛する事が出来なかった。

 まぁ、十二氏族と和解してからは徐々に報告を聞かなくなったけどね。

「とりあえず、何が来ているのか気になるから外に出るよ」

「リウイ一人では危険です。わたしも」

「わたしも行きます」

「じゃあ、わたしも~」

 結局全員馬車から出る事になった。

 そして、僕達は前方を見た。

 手でひさしを作りながら前方を見ていた。

「あれは? 人馬族かな?」

 前方からくるものが徐々にスピードを落としていった事で、砂塵が治まっていく。

 それで、こちらに掛けて来るのが人馬族だという事が分かった。

 うん? よく見ると人馬族の後方に何か物体が見えるな。

 あれは・・・・・・戦車?

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