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第30話 意外に出来るな

「むっ」

「何だ?」

 戦っていた母さん達が自分達に向かって来る人形を見て顔を顰める。

「あれはゴーレムか?」

「違う。あれは『魔操人形』だ」

「まそうにんぎょう? ああ、自律行動もできるゴーレムか。しかし、わたしが知っているのよりも幾分か小さくないか?」

「お前が国を出ている間に技術が発展したのだ。今では人と同じ位の『魔操人形』もあるくらいだぞ。無論、人と同じく自律行動も出来る」

「ほぅ、それは面白い」

 母さんが標的をお祖父さんから向かって来る『魔操人形』に変えた。

 持っている武器を構えながら、その『魔操人形』達の出方を見る。

 だが、『魔操人形』達は有る程度近付いた所で足を止める。

 そして『魔操人形』達は手を広げる。其処から魔法陣が浮かんだ。

「魔法陣? ふん。どんな魔法を使うか見ものだな」

 母さんは余裕綽々だったが、お祖父さんは。

「いかんっ。逃げろハバキっ」

 そう言って、その場から脱兎の如く逃げ出すお祖父さん。

 しかし、その行動は遅かったようだ。

「「「「(グラ)(ビトン)()()(-ル)」」」」

 機械音声で唱えると、母さん達の周りを黒いドーム状の結界が展開された。

 そして、直ぐに結界内にいるお母さん達が重力が伸し掛かって来た。

「むっ、むうううっ」

「これは、やりおるな」

 母さん達でも耐えるのが精一杯とは。凄い魔法だな。

「御二人共。争うのもそこまでにして下さい」

 凛とした声で話しかけるラミティーナさん。

 その声を聞いて、声が聞こえた方に目を向ける母さん達。

「お前は?」

「セクシャーナトの孫娘だったな。確か、名前は」

「ラミティーナと申します。カリショウ様」

 名乗って優雅に頭を下げるラミティーナさん。

「あのクソ婆の孫娘か。成程、それなりに出来るようだな」

 母さんは自分を拘束している魔法に興味が湧いたのか、ジッとラミティーナさんを見る。

「それで、我らを拘束する理由はなんだ?」

「今、リウイさんと庭を散策していますので、家族交流をするなとは言いませんが、此処ではない所でして頂けないでしょうか?」

 ラミティーナさんの言葉を聞いて、初めて僕が此処に居る事に気付いた母さん達。

「そうか。仕方がない」

 母さんは戦闘態勢を解いた。

「此処は我が愚息の顔を立てて、これで終わりにしてやる。親父」

「ふん。もう少したら、儂が勝っていたものを」

「減らず口を」

 鼻で笑う母さん。

 そして、ラミティーナさんを見る。

 もう戦う様子が無いと分かり、ラミティーナさんが魔法を解除した。

 すると、母さんが身を翻して何処かに行ってしまった。

「ふん。あやつも出来る様になったのだな」

 お祖父さんは何処か寂しそうでいながら嬉しそうな目で母さんの後姿を見送った。

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