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閑話 見合いの裏で

 今回はハバキ視点です

 今日、愚息ことリウイがセクシャーナトのクソ婆の孫娘とお見合いをしている頃。

 わたしは有る部屋に居た。クソ婆に呼び出されたからだ。

 本当はリウイの相手をどんな者なのか見てみようと思っていた。

 無視したら、クソ婆の事だから何をするか分からないので、仕方が無く呼びに来た者の案内に従う事にした。

「・・・・・・」

 其処にはわたしの親父であるラサツキ家の現当主であるカリショウも居た。

「ふふ・・・・・・」

 微笑むだけで何も言わないセクシャーナトのクソ婆。

 子供の頃から世話になっているが、こいつの腹黒さと有無を言わさず他の人を騒動に巻き込んで、四苦八苦している姿を見て楽しむという嗜虐趣味は好きになれない。

 まぁ、クソ婆と親父が此処に居る時点で、何で呼び出されたのかは何となく察した。

「こうして、カリショウとハバキちゃんが顔を合わせるなんて、何年ぶりかしらね~」

 微笑みながら呑気にそんな事を言うクソ婆。

「・・・・・・ふん。儂らを此処に呼んで何が魂胆だ。セクシャーナト」

「魂胆? そんなものある分けないでしょう。長い間顔を合わせる事も無かった親子なんだから顔を合わせるぐらいはしても良いと思って、二人を呼んだのよ」

 怪しいとしか思えなかった。

 火種が無い所で、大火災を生み出す事も出来るクソ婆が顔を合わせるだけで、わたし達を呼ぶことなどしない。

「ふん。まぁ、親父は別にわたしと顔を合わせたくないだろうがな」

「何を言うかっ!」

 親父は怒声をあげだした。

「儂だって、セクシャーナトの呼び出しでなければ、お前に会う事はないわっ」

「クソ親父が。久しぶりにあっても、その頑固な性格は直っていないようだなっ」

「誰が頑固じゃ‼ それを言うのであれば、お前の方が聞き訳が無い阿呆であろうがっ。儂がお前に向いた婿を連れて来ても半殺しにしてから「わたしとは合わない」と言うわ、女性らしい教育を行おうとしたら、日頃から親しくしている者達と遊びに行くわ。挙句の果てには「こんな窮屈な家に居られない。旅に出る探すな」と置き手紙をして何処かに行き追って、その挙句、儂に一言も言わずに結婚して子供を産むとは、儂の事を親だと思っておるのか⁉」

「何だ。勘当したと聞いていたから、わたしの事はもう子供と思っていないと思っていたぞ」

「お前は儂の娘じゃ。勘当しようが魔王の妻になろうが、それは変わらん!」

「何だ。わたしが親父に何も言わずに結婚した事も、結婚した後もリウイが生まれた後も親父に一報入れなかった事を怒っているのか?」

「当然だ‼」

 そんな事で怒るとは、我が親ながら器が小さいな。

「ふふふ、この親子の喧嘩を見ていると、喧嘩する程仲が良いと言うのが分かるわね」

 クソ婆が何か言っているが、そんな事はどうでも良い。

「表に出ろ。クソ親父。今日こそ、その減らず口を二度と叩けない様にしてやるっ」

「面白い。久しぶりにお前の実力見せてもらうぞっ」 

 睨みながら、わたし達は部屋を出て行った。

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