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第25話 ヤンキーですか?

 翌日。


 朝起きるなり、朝食を食べずにお見合いをする格好に着替えさせられた。

「リィンにはこれじゃろう」

「わたしはこっちが良いと思うわ」

「そっちよりもこっちが良いと思うな~」

 ロゼティータ姉様とフェル姉とミリア姉ちゃんの三人が僕が着る衣装について揉めていた。

 姉様は何処も隙が無い正装。

 フェル姉は着物みたいにダボダボした袖に背中に魔国の紋章が刺繍されていた。

 ミリア姉ちゃんのは革ジャンに棘付き肩パットに背中に髑髏マークが刺繍されていた。

 服って、意外と人の好みとセンスが分かるよな。

 と言うかミリア姉ちゃんの服って冗談?

 何で、お見合いで世紀末に出て来るモヒカンみたいな服を着ないといけないんだ?

「ミリアよ。その服はどうかと思うのじゃが」

「そうね。少し派手過ぎね」

 少し? これは少しでは無くかなりの間違いではないのだろうか?

「そうかな? でも、ロゼ姉の服装は固すぎるよ。真面目過ぎて面白みがないよ」

「そうね。遊びが無いわね」

 まぁ、そこは同感かな。

「何を言うか、ミリアの服は元より、フェルの服はなんじゃ故郷でも見た事が無い服ではないか」

「公国ではこういうキモノという服装があるから、それをアレンジした服よ」

「う~ん。面白いは面白いけど、もっと遊んだ方が良いと思うな~」

 三人は自分達が選んだ服を見て三者三様の反応を見せた。

 まぁ、三人の服を見て選ぶ選ぶとしたら無難なロゼ姉様の服を選ぶ。

 理由は無難だからだ。

 残りの服は遊び心が有り過ぎると思う却下だ。

 僕は別にお見合いをぶっ潰すつもりはない。なので、無難な服を選ぶのが良い。

「とりあえず、姉様の服を着てお見合いをするよ」

「うむ。流石はリィンじゃ」

「ええ~、ウ~ちゃんにはこれが一番良いと思うのだけどな」

「わたしの方が一番似合うと思うよ。リウ」

「はっははは、僕には二人が選んだ服は似合わないから、こちらにしたんだ」

 無難な返しをする。

 変な事を言うと、二人が拗ねるかもしれないからな。

 その後も二人はブーブーと文句を言うが聞き流した。



 姉様が選んだ服に着替え終わると、僕は部屋を出た。

 見合いの部屋に向かいながら、先程から気になっていた事を訊ねた。

「そう言えば、ヘル姉さんと姉上は?」

「ヘルミーネは王都の警護として軍団率いて警備に当たっておる。イザドラは」

 ロゼ姉様が言葉を続けようとしたら、部屋の前まで来た。

 その部屋の前には警備の兵として『魔導甲殻兵団』の軍装を纏っていた。

「僕の見合いする人の顔を確認しに行った?」

「正解じゃ」

 何をやっているんだが。

 僕が警備している人達に手を振ると、警備している人達は一礼して扉から身体を離した。

 僕はその扉にノックをした。

『どうぞ』

 誰なのか訊ねないで入室しても良いと言われた。

 部屋の前に居ても仕方が無いので、とりあえず部屋に入る事にした。

 僕達が部屋に入ると、姉上がある女性を凝視していた。

 その女性を見て、僕もギョッとした。

 腰まで伸ばしたウェーブ掛かった栗色の髪に右の前髪だけピンク色のメッシュを入れていた。

 額の所に黒い角が生えていた。

 棘付き肩パットが付いている黒いレオタードみたいな服を着ていた。

 キリっとした目元。鳶色の瞳。品がある顔立ちなのだが、紫色のアイシャドーをしているので眦を強調したメイクなので怖い印象を抱かせていた。

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