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第23話 相性悪いのかな?

「あら、その話は初耳ね」

 セクシャーナトさんは初めて聞いたという顔をした。

 お祖父さんの方も初めて聞いたのか、目をパチクリさせていた。

「どういう事か説明してもらえるかしら?」

「説明も何も、この国は我が国と同盟国となります。その友好の為にリウイを女王陛下の娘達の婚約者になったのです。最終的には一人なのか三人になるのかは分かりませんけどね」

 姉上の説明を聞いて、セクシャーナトさん達は顔を見合わせた。

「そうなの。この国の王女様と」

 少し考える素振りを見せるセクシャーナトさん。

 そして、良い事を思いついたとばかりに目を光らせた。

「では、わたしの孫娘も婚約者になっても問題ないわね」

「えっ。それはちょっと」

「何を言っているの。リウイちゃん。貴族同士では多数の婚約者が居るのは普通の事なのよ。その中で誰を選ぶのか、それとも全員娶るのかは人それぞれだけどね」

 まぁ、この世界は一夫多妻が普通だからな、そういう事もありなのか。

「それは困りますね」

 しかし、イザドラ姉上が難色を示した。

 流石に多人数の婚約者がいる事に問題だと思っているのかな?

「リウイは優しいですから、婚約者全員娶る可能性があるますから、あまり多いとわたしとリウイが接する時間が削られる可能性が」

「いや、それは無いから」

 姉上の中では僕は女好きというイメージがあるのだろうか?

 今度、そこの所を話し合った方が良いな。

「あら、良いじゃない。英雄色好むというではない」

「物事には限度がありますっ」

 セクシャーナトさんの意見に姉上は噛みついた。

 これでは話が進まないなと思っていると。

「ふむ。では、実際会わせて見れば良いだろう」

 其処の母さんが冷静に口を挟んだ。

「母さん。会わせるって、どういう事?」

「愚息よ。お前はまだこのクソ婆の事が分かっていないようだな。このクソ婆は性格は極悪と言っていい程に悪いが、かなり頭が切れていてな。ありとあらゆる事態を想定して行動するという計算高さを持っているのだ」

 母さんの発言を聞いて、お祖父さんも同意とばかりに頷いた。

 しかし、母さん。本人を前にして良く其処まで面罵できるよな。

「恐らくだが、この状況を想定してその孫娘とやらも此処に連れてきているのではないのか? どうなんだ? クソ婆」

 母さんがそう尋ねると、セクシャーナトさんは肯定とばかりに笑みを浮かべた。

「あらあら、暫く見ない間に随分と賢くなったわね。ハバキちゃん」

「それは褒めているのか?」

「勿論。貴方に色々と教えた甲斐があったわ。いじめもとい鍛えがいがあって、地頭が良い子だと思っていたけど、旅をした事で見聞を深めた事で頭の回転も良くなったのね」

 今、いじめとか言わなかったかな?

「あの時の扱いは今でも忘れんぞ」

「ほほほ、そうなの」

「知っているか? 師に対する最大の恩返しは、その師を越える事だという事を?」

「あらあら、それはつまり、ハバキちゃんがわたしを越えるという事かしら? まぁ、それは楽しみにね」

 今にも噴火しそうな火山くらいな怒りを見せる母さんに、セクシャーナトさんは涼しい顔で笑っていた。

 それを見て、こんなに嫌っているのに良く師事したなと思った。

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