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第23話 お見合いって

「どういう事? 御祖父さんっ」

「実はなセクシャーナトから打診があってだな」

「セクシャーナトさんから?」

「うむ。此度の件でお前が攫われたのは、こちら側に非があると向こうが認めおってな」

「あのクソ婆が素直に自分の非を認める? どう聞いても裏があるな」

 それなりに親しくしていたからか、母さんはセクシャーナトさん側の言い分に裏が有ると断言した。

「それで賠償として、幾ばくかの金銭のついでに向こうの嫡流に当たる孫娘をお前と見合いさせるそうだ」

「どうして、賠償で見合いさせるのかな? 意味が分からないのだけど?」

「それについては、この場では無くもっと静かな部屋で話そう」

 むっ。確かに。

 此処は周囲の目があるからな。幾ら楽隊の演奏で話し声が聞こえづらいと言っても、耳が良い人や読唇術を学んだ人には知られる可能性があるからな。

「じゃあ、話の続きは王宮で良いかな?」

「別に構わん」

 お祖父さんがそう言うので、僕達はお祖父さん達と共に王宮へと向かった。


 僕達が王宮に着くと、率いて来た軍はダイゴクに任せる事にした。

 僕の婚約に関係ある話という事でフェル姉とヘル姉さんは自軍の事は副将に任せて話を聞く事になった。

 軍の事を任せる事をセクシャーナトさんに話したら、ニンマリと笑った。

 そして、話の中に加わる事になった。

 王宮の一室には僕の姉さん達。母さん。御祖父さん。そして、セクシャーナトさんが集まった。

 正直に言おう。凄い空気が重い。

 一種触発よりも重く、少しの振動でも爆発するニトログリセリンの中に居る気分だ。

「「・・・・・・・・・・・・」」

 その中で一番空気が重いのは姉上だ。

 僕が見合いするという話を聞くなり卒倒した。

 直ぐに気を取り戻したが、その時の目は怖かった。

 まるで恋人を奪われた人みたいな目だった。

「それで、リウイの御爺様。どうして、リウイを見合いさせる理由は何故なのでしょうか?」

 姉上が口火を切った。

 他の姉さん達は見合いする理由が気になっているのか何も言わないが、そうだと言わんばかりに頷いた。

「うむ。セクシャーナトの孫娘とリウイを見合いさせる理由は、ただの賠償だ」

「賠償? 今回の件の賠償で見合いさせるのですか?」

「そうね。でも、それは見合いさせてそのまま婚約させる為に見合いさせるのよ」

 まぁ、この世界じゃあ見合い=婚約みたいな感じだからな。

「リウイが婚約ですってっ、まだまだまだまだ早いです!」

「見合いさせる孫娘と同い年よ。だから、問題ないわ」

「い~え、リウイに婚約は早いです!」

 姉上が凄い反対している。

「ふむ。『八獄の郷』の有力氏族の族長一族の嫡流の孫娘か。悪い相手ではないがのう。流石にどんな者か会って見ないとな、何とも返事できんのじゃ」

「リウイが婚約。・・・・・・う~ん」

「リウが婚約か。早すぎると思うな」

 姉様、ヘル姉さん、ミリア姉ちゃんは僕の婚約に良い顔をしない。

「ウ~ちゃんが婚約ね。でも、もうリリアン殿下の娘達の婚約者になっているのに問題だと思うのだけど?」

 フェル姉が疑問を口に出した。

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