第22話 初耳なんですが⁉
そうして、流れて来るド〇クエの音楽を聞きながら待っていると。
前方から騎乗している人達が見えて来た。
その後方には歩兵だが様々な武器を持っている一団が続いていた。
その一団の先頭に居るのは母さんと御祖父さんのようだ。
「「……………」」
並んでいるのに一言も話さない二人。
後ろに居る側近の人達がどうしたものかと頭を悩ませている姿が目に入った。
あの二人、頑固だなと思いつつ先頭の人達が来るのを待った。
先頭がある程度、僕達に近付くと母さんが手を掲げた。
すると、徐々にだが足が止まって行った。
一団の足が完全に止まると、母さん達だけ騎乗してる魔獣を進ませて僕達の傍までやって来た。
後五歩ぐらいという距離で魔獣から降りて、僕達の傍まで来た。
二人の間に微妙に距離があるのは、話したくないのだろうかと思うのは僕の気のせいだろうか?
「久しぶりだな。愚息よ」
母さんは乱暴に僕の頭を撫でて来た。
乱暴に撫でるので髪型が崩れるが、何時もの事なので気にしない。
「お前の知り合いが王都に行くと聞いたから、二度と使えない位に破壊されていると思ったが、予想以上に綺麗で驚いたぞ」
「確かにそうだね」
椎名さんが王都を壊さないでくれたのは、どんな理由があったとしても運が良いとしか言えないな。正直、王都に向かったと聞いた時は王都は火の海になっている事も想定していた。
「まぁ、何事も無くて良かったな」
力強く撫でる母さん。
一頻り撫で終ると、姉様を見た。
「こいつは迷惑を掛けたか?」
「いえ、特にも問題らしい問題はなかったのじゃ」
「そうか」
姉様の報告を聞いて顎を撫でた。
「っち、何も起こしてないか。つまらん」
「なんちゅうことを言っているんだ。あなたはっ」
息子が騒動を起こす事を楽しみにしている親なんかいないだろうにっ。
「全く。これが我が娘かと思う頭が痛い」
其処にお祖父さんが口を挟んで来た。
頭が痛いのかしかめっ面で話に入って来た。
「五月蠅い。頑固親父。わたしがこんな性格なのは親父とお袋殿の育て方のお蔭だ」
「親に向かってその口調とは、少しは敬う気はないのか?」
「無い。わたしは勘当された身なのだから」
「ええい、ああ言えばこう言いおるわっ」
御祖父さんと母さんが睨み合った。
「ふ、二人共。落ち着いてよっ」
僕は二人の間に入り込み宥めた。
「「ふんっ」」
僕が間に入ると、同じタイミングで顔を背ける二人。
こういう所を見ると、血が繋がっているんだなと思うよ。
「ああ、そうだ。リウイ」
「なに? 御祖父さん」
「セクシャーナトと話し合ったんだが、事態が落ち着いたらお見合いをしてもらうぞ」
「へぇ、誰が?」
「お前がだ。セクシャーナトの孫娘と」
「・・・・・・・えええっ⁉」
なにそれ?




