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第20話 ようやく皆来るんだ

 ユエ達は話す事を終えると、二人は左右に分かれた。

 余程、近くで歩きたくないんだなと思いつつも、その二人が承諾した事が気になるが、まぁ僕が考えても仕方が無いだろう。

 そう思い、今日はどのように時間を潰そうかと考えていると。

「おお、丁度いい所におったのじゃ。リイン」

 この声は姉様。

 どうしたのだろうか?

「姉様。どうしたの?」

「先程、使いが来てな。今日の昼頃にハバキ殿達がこの王都に来るそうじゃ」

「そうなんだ。兄さん達は?」

「そちらはスティードン一世が籠っている城塞を包囲中らしいぞ。報告を聞いた限りでは順調らしいのじゃ」

「そっか。兄さん達は頑張っているんだ」

 今頃、城塞に元気に挑発しているんだろうな。

 何かその姿が容易に浮かぶな。

「妾は出迎えに向かうつもりじゃが。リインはどうするのじゃ?」

「そうだな。僕は」

 出迎えに行こうかなと言おうとしたら。

「ああ、此処に居ましたか。リウイ」

 姉様と話していると、姉上が話しかけて来た。

「姉上。どうかしたの?」

「魔国に行く準備が出来たので、その事を言いに来たのです」

「ああ、その件ね」

 僕が姉上と出掛ける事となった件か。

「何時でも行けるの?」

「ええ、行けますよ」

「じゃあ、母さん達を出迎えから行く事にしてもいいかな」

「別に構いませんよ」

「姉様。僕も出迎えに行っても良いかな?」

「別に構わんが、イザドラ」

「はい?」

「お主は付いて来るでないぞ」

「何故ですか⁉」

「魔国に行っている間、この王都の処理の引き継ぎを行っているのか?」

「そ、その件は、この国の事に詳しくて内政に長けたリリアン殿に任せれば」

「リウイと一緒に出迎えたいだけに仕事を押し付けるのは問題じゃな」

「ぐふっ」

 あっ、姉上が凄い悔しそうな顔をしている。

「それが終ったら好きにするが良いのじゃ」

「・・・・・・はい。分かりました」

 姉様の言葉に姉上はしょんぼりしながらも答えて、仕事の引き続きに向かう。

 歩きながら、数歩歩くと止まってチラッとこちらを見ては歩き出し止まってチラッと見て来た。

 そんな姉上を見て、姉様は苛立っていた。

「鬱陶しい! 早く行かんかっ」

 苛立ちを抑える事が出来なくなった姉様がそう叫ぶと姉上は深い溜め息を吐いて歩き出した。

「全く、リウイが絡むとほんに面倒で鬱陶しい奴じゃのうっ」

 ぷんすかと怒る姉様。

 その姿はどうも子供が怒っている様にしか見えないが、心の中で思うだけで言葉には出さない。

 言ったら、今度はこっちが面倒な事になると経験で理解しているからだ。

「ほれ、行くぞ」

「はい」

 姉様が歩き出したので、僕はその後に付いて行った。

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