第18話 仕方がない約束は約束だし
「さて、疑問に思っていた事が分かり気分がすっきりしたのでで、リウイ」
「はい?」
「これから出かけましょう」
「えっ?」
「何を呆けているの。今日は一緒に出掛ける約束をしたでしょう」
「それはそうだけど・・・・・・」
この微妙な空気の中良く言えるな。
ユエ達とチラリと見ると、好きにしたらと目で言っていた。
「・・・・・・まぁ、約束したから行くか」
「では、行きましょう」
姉上は二人を置いて僕の腕を掴んで部屋を出て行った。
王宮を出ると、姉上は僕の腕をガッチリ掴んだまま城下町を歩いていた。
それにより、女性の象徴が僕の腕に当たっている。
この人。どうしていつも僕に胸を当てているのだろうか?
「姉上」
「何かしら? リウイ」
姉上は周りを物色していた姉上は、僕が声を掛けると顔を向けた。
「どうして、胸を押し付けるの?」
「リウイが喜ぶと思い押し付けているのです」
「ああ、そうですか」
これはこれ以上、何を言ってむ無駄だと思いそれ以上、言うのは止めた。
しかし、姉上の立場から考えると護衛がついても可笑しくないのだが。
周りを見回してもそんな人。何処にも。
「定時連絡。対象アルファとベータは問題なく行動しています」
『了解。引き続き隠密警護を続けろ」
「了解」
・・・・・・よく見ると変装した魔導甲殻兵団の団員達がチラホラ見えた。
皆さん、大変でしょうが頑張ってください。
ふむ。ユエ達も居ないし、賑やかな声で周りの人達も聞こえないだろうから大丈夫だろう。
僕は話をしてから気になっていた事を聞く事にした。
「姉上」
「なにかしら? リウイ」
「僕の前世の事を聞いても何とも思わなかったの?」
「何を思うのですか?」
「気持ち悪いとか、この子頭大丈夫なのだろうかとか」
「いえ、全然」
即答で断言したよ。この人。
「赤ん坊の頃から貴方を見ているのですよ。貴方がそんな事で嘘を言ったりとか、変な事を言う子ではないと知っていますよ」
そう言われると、そうか。
「ふふ、それにしても貴方は面白いですね」
「面白い?」
何が面白いのだろうか?
「前世の記憶を持って生まれる。そう言った者達はこの世界でも稀にですが生まれてきます。それでも、渡来人の前世を持っている者は居ないでしょうね」
「それは確かに」
「だから、面白いのですよ。渡来人の知識を持っている貴方がこれから何を行うのか」
「僕は別に大した事はしないよ」
「ふふふ、そうですか」
姉上は優しい笑顔を浮かべる。
「でも、これだけは覚えていなさいね。貴方はわたしの可愛い弟ですよ。何があってもね」
「・・・・・・大国を敵に回しても?」
「そんな国、わたしが滅ぼしてあげますわ」
この人ならそう言うと思った。
「姉上らしいね」
心の底からそう思うよ。本当に




