第15話 ば、馬鹿な
翌日。
朝日が部屋に差し込み朝食を食べ終えて、身支度を済ませる。本来はティナやソフィー達に差せるのだが、この国には居ないので自分でする。
転生しても誰かに服を着せてもらう習慣がなれないので、こうして一人でやると凄い落ち着く。
身支度を終えると、姉上と待ち合わせ場所である王宮の正門まで行こうとしたら。
コンコンっとドアがノックされた。
誰だろうと思い、ドアを開けると。
「おはようございます。リウイ♥」
ドアを開けるとイザドラ姉上が満面の笑顔を浮かべていた。
思わず、僕はドアを閉めた。
見間違いかと思い、目を擦った。
そして、もう一度ドアを開けると姉上が居た。
疲れているのかな?と思いつつドアを閉めようとしたら
ガシっとという音を立てながらドアの隙間から手と足が入り込んだ。
「どうして、二度も閉めるのですか・・・・・・?」
瞬きしない目がドアの隙間から僕を見る。
怖っ。ホラー映画に出て来る死霊みたいじゃないか!
「だ、だだだって、待ち合わせにいると思われる姉上がどうして僕の部屋の前に居るのさ⁈」
「実はこれには深い理由がありまして」
「深い理由?」
「リウイを待ち切れなくて、部屋に押しかけて来たのです!」
「深い理由ではなくて、ただの我慢が出来なかっただけでは⁈」
というか、待ち合わせする必要ないじゃん。
「ふふふ、良いではない、ですか!」
姉上が力づくで強引に扉を開けた。
その反動で僕は吹っ飛ばされ、床に尻を強く打った。
「いたた、まさか此処までするとは」
「あら、力を込め過ぎたかしら、ごめんなさいね。リウイ」
そう言って、僕をお姫様抱っこする。
「何故、御姫様だっこ?」
「そんなのリウイの身体傷ついているかも知れないのですから、丁重に扱わないと」
「いや、降ろしてよっ」
「ほほほ、じゃあ、このまま私の部屋に行きましょうね~」
抵抗するが姉上の力の前に敵う訳も無く、されるがままであった。
何故か姉上の部屋に行くという不可解な事になった。
僕の部屋を出て歩いていると、姉上が使っている部屋に前まで来た。
姉上がドアを開ける為、僕を降ろすとドアを開けた。
逃げようとしたが、姉上はそれを許さないと言わんばかりに腕を伸ばして僕の腕を掴んだ、
そして、僕を連れて部屋に入ると。
「少し待たせたかしら?」
姉上が声を掛けると、部屋にはユエと椎名さんが居た。
二人は僕を見るなり目を剥いていた。
何故と思いながら、姉上は僕の手を掴んだままソファーに座り、僕を近くのソファーに座せた。
「さて、貴方達を呼んだのは他でもありません。ちょっとした事を聞きたいのです」
「聞きたい事?」
「何でしょうか?」
僕も気になり、ユエと椎名さんに目を向ける。
二人は姉上の言葉の意味が分からないのか僕を見た。
「イザドラ様。貴女がおっしゃる言葉の意味が分からないのですが。どういう意味ですか?」
「ええ、その通りですよ。お義姉様」
椎名さん。ちゃっかり義姉と言っちゃった。
それを聞いて姉上は目を光らせた。
まるで、貴女に姉上と言われる言われはないと目で言っていた。
「・・・・・・では、聞き方を変えましょう。リウイ」
「なに?」
「貴方。わたしに何か隠しているでしょう?」




