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第13話 この場合、買い物と言うべきかそれともデートと言うべきか

 王宮を出て城下の町に向かう僕達。

 護衛としてリリムを連れて来ているが、正直に言ってこのメンバーを襲って勝てる人って居るのかなと思うのだけど。

 そう思いながら、店先でどの店に入るか話し合っている村松さん達を見る。

「この店とかどうですか?」

「ええ、何か派手じゃない」

「ふむ。この店は材質は微妙の様じゃな。悪くも無い良くも無い。強いて言えば頑丈な服を売りにしているという所じゃな」

「おお、服を見ただけそこまで分かるとは」

「流石はロゼティータ様ですね」

「ふふん。このぐらい当然じゃろう」

 二人に褒められて胸を張る姉様。

 その態度を見ていると、僕が姉上を褒めたりするとこんな風に胸を張ったりした事を思い出した。

 こういう事をするのを見ると、姉妹なんだなと思う。

「どうしたのじゃ。リイン? ぼーっとしておるが」

「いや、何でもないよ。姉様」

 何も言わないで静かだったせいか、姉様は僕に声を掛けて来た。

 この人、こんな見た目だけど面倒見が良いんだよな。

「ねぇ、ロゼ様」

「何じゃ。セナとやら」

「リウイ君の事をどうして『リイン』って呼ぶの?」

 そう言えばセナさんは知らないか。

 リリムは知っているのか、僕を生暖かい目で見ている。

「それはじゃな。リインは昔、自分の名前を言えぬ時期があってのう。それで自分の事を『りい』と呼んでいたのじゃ。それで妾はリインと呼ぶ様になったのじゃ」

「へえ、そうなんだ~」

 何かすっごい笑いを堪えている顔をしながら僕を見ている村松さん。

 気持は分かる。けど、そんな顔をしないでほしいな。

「ちなみに、他の妹達が妾と同じ呼び方をして呼んでも反応しなかったのじゃ。だから、妾だけが呼ぶようになったのじゃ」

 当たり前だ。皆にそんな呼ばれ方をしたら恥ずかしくてのたうち回りそうだ。

 姉様も止めて欲しいと暗に言っているのだが、本人がその呼び方に定着したから無理と言われたので、もう好きにさせる事にした。

「成程~。ちなみに他の人達はリウイ君の事を何と呼んでいるんですか?」

「イザドラとヘルミーネはリウイ。フェルはウ~ちゃん。ミリアリアはリウと呼んでおる。弟達は皆、リウイと呼んでおるぞ」

「リウはまだしもウ~ちゃんね」

 村松さんは顔を反らしているのでどんな顔をしているが分からないが、何となくだが笑いを堪えている顔をしているだろうという事が分かる。

「この店は良いようじゃな。この店に入るぞ」

 姉様がある店の前で足を止めた。

 その店は外装から結構高そうな外装をしている事が目に見えて分かった。

 これは高級店の部類に入るのでは?

「ああ、良いですね。品揃いもよさそうです」

「じゃあ、この店にしよう」

 ロゼ姉様が決めた店に二人も賛成して店の中に入って行った。

 僕もその後を追い掛けた。

 店の中に入ると、姉様達は店内に並んでいる服を自分の身体に当てながらどれが良いか話していた。

 僕にも時折意見を聞かれたのでそれに答えながら、三人の買い物が終るのを店員に勧められた椅子に座りながら待ち続けた。

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