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第97話 ありゃ、今王都はそうなっているんだ

 ユエに呼ばれて僕達は丘に絨毯が敷かれた所に案内された。

 喉が渇かない様に飲み物も用意されていた。

 既に呼ばれていたのか御祖父さんとセクシャーナトさんと姉さん達が居た。

 ダイゴクと母さんと村松さんは居るが、椎名さんが居ないのは聞く必要が無いと思い言わなかった。

「遅くなりました」

「いや、良い」

 先に来ていたので皆に一言言うと、御祖父さんが気にするなと手を振る。

 空いている席に僕と姉上は座った。

 勿論、姉上は僕の隣だ。

「全員集まったので、話をしてもらおうか」

 御祖父さんがユエを見ながら顎でしゃくる。

 ユエはそれを見て頷いた。

「先程、わたしの王都にあるわたしの商会から使いが来た」

「使い?」

「王都から離れているとは言え、王都に常駐している守備隊が何かしたのかしら?」

 皆が話している中、ユエが口を開いた。

「現在の王都には異世界より転移して来た者達が王宮を制圧して、城下に繰り出して好き勝手にしているそうだ」

 異世界から転移してきた者達という事は、つまり。

「ふん。異世界からの渡来人か。王国の監視の目が無くなった事で自由に動き出したか」

「しかし、ハバキ様。王都の攻略は難しくなるのでは?」

「そうじゃな。渡来人は皆、能力が高いと聞くからな。そんな者達が王都を占領しているとなると、攻略も難しくなるじゃろうな」

 う~ん。確かにそう言えるな。

「人数はかなり居るのか?」

「確認されている限りでは百人を超えるか越えないかぐらいだそうです」

「ふむ。攻めるにはちと足りぬが、防衛には問題ないじゃろうな」

「さて、どうしたものか」

 皆を頭を悩ませていた。

「・・・・・・夜襲を仕掛けたらどうかな?」

 思わずポロリと零れた。

「夜襲か。人数が少ないからな。それはいけるかもしれんな」

「では、包囲では無く突入してからの占領するという方法になるな」

「敵がそれなりの防衛戦力であろう以上、それしかないか」

「ならば」

 母さんが身を乗り出した。

「その突入部隊は『義死鬼八束脛』が請け負おう。他の軍団はおっとり刀で来ればいい。その間に王宮も全て制圧しておこう」

 流石は母さんと言う所だけど

「駄目だ」

 御祖父さんがそれを却下した。

「お前は次期ラサツキ家当主筆頭候補なのだぞ。そのような危険な任務を志願するなど以ての外だ」

「っち、別に良いだろう。親父。わたしが好き勝手にあばれるのだから。それにわたしは勘当された身だ。ラサツキ家とはもう縁もゆかりもない身だ。わたしがいつどこで死のうと親父には関係が無いだろう」

 親父って言ってそれは無いと思うんだけどな。

「馬鹿者が。勘当しようがなかろうが、お前は儂の娘である事に変わりはないわ」

「ふん。知った事か」

「お前という奴は」

 御祖父さんと母さんの親子喧嘩が始まった。

 頑固だからな。二人共。

 二人は口論を始めた。これは長引きそうだな。

 二人の口論が終るのを待つか。それとも、別の部隊に突入させるか。

 そう考えていると。兵士が駆けこんできた。

「申し上げます!」

「会議中だぞ。何事だ⁉」

「先程、王都に向かって龍が飛び立ったそうです!」

 龍? 姉上は此処に居る。それ以外の龍と言うと。

「・・・・・・椎名さん」

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