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第90話 う~む。強か

「・・・・・・その提案に乗ってあげてもいいわ」

 考えていたリリアンさんが重々しく口を開いた。

「おお、じゃあ」

「ただし、こちらにも条件があるわ」

「条件?」

 何だろうか。

 王国の統治権はを認めろとかか。それとも、スティードン一世を殺すなとかか?

 それぐらいなら認めても良いだろう。

「リウイ君がわたしの娘達の婚約者になる事よ」

「へっ?」

 今、何と言いました。この方?

「すいません。今のお言葉をもう一度」

「リウイ君をわたしの娘達の婚約者になる事っと言ったのよ」

「はいいぃぃぃ⁉」

 何故、そんな事を⁉ 意味が分からんっ。

「ふむ。成程、有力な後ろ盾が欲しいという事か。それで、リウイを婿に迎えると?」

「そうよ。リウイ君は『八獄の郷』の有力氏族のラサツキ家の嫡流で現魔王の弟だからね。わたしが王位を継ぐには良い後ろ盾になるわ」

「妥当だな。しかしだ。リリアン殿」

「何かしら? ソアヴィゴ陛下」

「何故、そちらの娘達なのだ? 娘の一人がリウイの婚約者でも良いと思うが」

「そ、そうですよ。お母様」

 兄上の疑問をジェシカも気になって訊ねた。

「そうした方が繋がりが強くなるでしょう。娘達もリウイ君の事を嫌ってないのだから問題ないわ」

「だけど」

「ジェシカ。別にわたしは娘達全員をリウイ君のお嫁さんになっても良いとは言ってないわ」

「どういう意味なの?」

「つまり、シャロンと二コラが貴女の事を気遣って、貴女が婚約者になる様に譲ってくれるわよ」

「でも、それだったら、別にわたし達全員が婚約者にならなくても」

「箔付けよ。それに事情を知らない人からしたら、面白がるでしょう」

「それはお母様もでは?」

「・・・・・・否定はしないわ。でも、それだけ魔国と友好関係を結べていると思うでしょう」

「確かにそうですが」

「まぁ、この話はシャロンにも聞いて貰ってから決めましょう」

「そうですね」

「ところで、二コラはどうしたの?」

「二コラ姉様でしたら、そのリウイ君のお姉さんとお話をしています」

 今頃、身内自慢という話をしているだろう。

「そう。でも、リウイ君のお姉さんとは顔見せをしたけど、あの子そんなに親しくしていた人が居たかしら?」

「次女のイザドラ姉上とは初めて顔を見合わせた上に、似たような性格のようで話が弾んでいるようです」

「あら、珍しいわね」

 リリアンさんは驚いている様だ。

 とは言え、本当にその案で良いのかな?

 そう思いながらジェシカを見る。

「う~ん。シャロン姉さんと二コラ姉さんの二人を相手か。わたし勝てるかな?」

 何かもう婚約者選びに乗り気であった。

 リウイ達が話をしている頃

「はぁ、はぁ、なかなかにやりますね。あなた」

「ふ~、ふ~、そっちこそ。ここまでわたしについてこれるなんて、みなおしたわ」

 荒い息を吐くイザドラと二コラ。

 二人の周りはまるで隕石が落下したかのように地面が隆起していたりクレーターなどがあった。 

 更には地面も黒く焦げていた。

 最初、口論を交わしていた二人であったが、徐々にヒートアップして最後には得物を抜いて戦った。

「でも、まけませんよ。わたしのりういのほうがかわいいのですから」

「なんといわれても、わたしのじぇしかのほうがりういくんよりもかわいいわ」

 二人はそう言うなり又得物をぶつけあった。

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